タイトル「前前前世」の意味とは…?

野田洋次郎のワードセンス光るタイトル

聞きなれない「前前前世(ぜんぜんぜんせ)」という言葉は造語です。

しかし、イメージとして「前世」よりも、もっともっと前の、それだけ長い時間を表しているのかなぁ、と浮かびますよね。

RADWIMPS「前前前世」の歌詞を徹底解剖! 【君の名は。】主題歌の画像

歌詞解釈

ラブソングを匂わす歌詞

それでは早速紐解いて行きましょう!

やっと眼を覚ましたかい それなのになぜ眼も合わせやしないんだい?
「遅いよ」と起こる君 これでもやれるだけ飛ばしてきたんだよ

心が体を追い越してきたんだよ

出典: 前前前世/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

主人公の他に「君」という言葉が出ており、二人であることが読み取れます。

そしてタイトルから察すると、前世以上の時間を飛び越えて会いに来たような、現実世界ではない舞台設定が考えられます。

「目」ではなく「眼」という字が使われているのは、単純な目ではなく、魂が宿った「眼」なのではないでしょうか。

具体的な言葉やヒントが何も無いため、主人公が何者なのか、そして「君」もどういう存在なのかは解りませんが、死を迎えた後の眠りから眼を覚ました君と会うために、急いでやってきた…
そんな情景とも捉えられますよね。

会いたいという強い思いが何よりも強かったのではないでしょうか。

君の髪や瞳だけで胸が痛いよ
同じ時を吸い込んで話したくないよ
遥か昔から知る その声に
生まれてはじめて 何を言えばいい?

出典: 前前前世/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

歌詞を追うごとに様々な設定が考えられますね。 もしかすると今世に降り立ったばかりの存在=赤ちゃんなのでしょうか。 「遥か昔から知る」ということは、声だけは存在していたのです。 悩んでいるのは主人公なのでしょうか。それとも「君」なのでしょうか。

君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
そのぶきっちょな笑い方をめがけて やってきたんだよ

君が全然全部なくなって チリヂリになったって
もう迷わない また1から探しはじめるさ
むしろ0から また宇宙をはじめてみようか

出典: 前前前世/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

サビ部分です。 今世に居る「君」のことを生まれるよりもずっと前から探し続けていた、という運命の出逢いを表していますよね。 野田さんらしい表現から愛くるしさがうかがえます。 また「前前前世」という言葉と「全然全部」が見事な語呂になっています。 そして「チリヂリになったって」と、まるで死後に灰へとなってしまう事を描いているようです。 例え一生を終えたとしても、前世・今世を超えてでも出会いたい、という思いが目に見えない神様のようなレベルでのストーリー展開になっています。

どっから話すかな 君が眠っていた間のストーリー
何億 何光年分の物語を語りにきたんだよ けどいざその姿この眼に映すと

出典: 前前前世/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

まだこの世の誰も経験していないことではあり、諸説あるとも言えますが、生まれ変わるには何億年、何光年という時間を要するのかもしれません。 その間「君」はずっと眠っていて、長い時間をかけて「姿」がつくられ、命がつくられていったのでしょうね。

RADWIMPS「前前前世」の歌詞を徹底解剖! 【君の名は。】主題歌の画像

君も知らぬ君とジャレて 戯れたいよ
君の消えぬ痛みまで愛してみたいよ
銀河何個分かの 果てに出逢えた
その手を壊さずに どう握ったならいい?

出典: 前前前世/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎

「君も知らぬ君」というのは、次に生まれ変わる「君」のことでしょうか。 前世の消えぬ痛みを背負ったまま今世にやってくると、様々な困難が待っている人生になってしまうのかもしれません。

その痛みさえもを受け入れていたい、というのです。 まさに何億年、何光年を表す言葉ですね。

手を握ることは簡単かもしれませんが、その問いかけの奥には「君」の存在の尊さが含まれているように感じられます。

君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよ
その騒がしい声と涙をめがけ やってきたんだよ

そんな革命前夜の僕らを誰が止めるというんだろう
もう迷わない 君のハートに旗を立てるよ
君は僕から諦め方を 奪い取ったの

出典: 前前前世/作詞:野田洋次郎 作曲:野田洋次郎