すれ違いもしも…なんてことを
時に忘れ咲き

出典: 忘れ咲き/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利

ここから、私のちょっとした願望が綴られます。

すれ違う」ということは、おそらく、また再会するという意味。

もしまた君に会えたら、自分は何ができるだろう。どうするだろう。どんな関係になっていただろう。

そんな君への興味、かすかな淡い期待が「もしも…」という一言に表れています。

そしてこの願望が、冒頭で私が想像していた夢の続きであるということがわかります。

続きとは、もしまた君と出会えた場合の、その先の未来だったんですね。

そして、ここでタイトルの「忘れ咲き」という言葉が出てきます。

過去を振り返り思い出に浸ったときに起こる、忘れ咲き。

この言葉の意味については、後程詳しく考察していきます。

落ち着き、ただ想うだけの恋愛

激しくうつりかわる恋愛ではない

愛だとか恋だなんて変わりゆくものじゃなく
ただ君を好きそんな風にずっとね 思ってるような

出典: 忘れ咲き/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利

サビ部分。

恋愛は、時に激しく情熱的で浮き沈みのある側面もあります。

人の心は変わるもの。

よって、簡単に壊れてしまったり強く結びついたりすることから、恋愛もそうした要素を多く持っています。

しかし、ここでは恋愛とはそういうものではないと歌っています。

ただ相手を想い続ける

変わらずにずっと…。

激しい浮き沈みや変化があるものではなく、一途な穏やかな気持ちが自分にとっての恋愛だということですね。

人は過去を後悔する生き物

あてのない想い抱えただ人は振り返るもの
巡りあえた景色をそっと消えぬようにとどめてゆく

出典: 忘れ咲き/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利

サビの続き。

答えがない思いを人は抱えているもの。

様々な人との出会いを胸に、人は時折過去を振り返り後悔する生き物

それで何かを得られるということはなくても、ついあの時こうしていれば…と思ってしまうことは誰でもあります。

そんな思いを赤裸々に示し、人間とはこういうものなんだよと表現しているのですね。

そして、次に歌われるのは、過去を振り返ってどうするべきかということ。

ここでは、人々とのめぐり逢い思い出を「景色」と1つで表しています。

私にとっての照れ臭い思い出も、ゆったりと流れる川原の景色として胸に刻む。

そして、そうした思い出を、情景として大切に忘れずに、ずっと記憶に残していこう。

そんな儚くも強い思いが伝わってきます。

君の思い出がない景色に心奪われるふりをしていた

夕暮れの空とか風にゆれる木々に
見惚れるふりをしながら幾度過ごした

出典: 忘れ咲き/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利

2番目の歌詞

空や木々といった自然。

そうした景色に見惚れていたのではなく、見惚れるふりをしていたという私。

ふりとは一体どういうことなのでしょうか。

本当の私の気持ちとは?

これは、サビ後半部分の人々とのめぐり逢い景色)と関係しているといえます。

めぐり逢いや思い出を景色として大事にしたいという思いを歌っていた私。

よってここでいう夕暮れなどの景色も、そうした思い出の1つといえます。

そして、見惚れるふりをしていたということは、その景色(出会い)はおそらく少年の君と別れて以降の出来事

様々な人との出会いがあり、思い出の景色は頭に浮かぶが、実は自分の心はそっちに向いていなかった。

君との思い出(景色)が頭から離れないまま、他の人との出会いに幸せを求め、幸せなふりをしていたのです。

よって、本当の思いは「君だけに向けられたもの」だったのですね。

控えめに傷つけないように想っていたい

切なさを隠した一途な想い

なるべく傷つけぬよう傷つかぬように
切なさもほらね押し殺せる

出典: 忘れ咲き/作詞:AZUKI七 作曲:中村由利