amazarashi「虚無病」

2016年10月発売のミニアルバム

amazarashiのアルバム『虚無病』を紹介!初回版にはDVD&小説が封入!の画像

「虚無病」は、2016年10月に発売されたamazarashiの8枚目のミニアルバムです。

表題曲「虚無病」をはじめとした収録曲は、どれも退廃的で詩的なamzarashiの世界観が色濃く表れた楽曲ばかりとなっています。

タイアップなどは無いながらもオリコン週間チャートでは6位を記録し、amazarashiが根強い人気を誇っていることを示しました。

全5曲の収録曲に加え、本作とリンクした小説、映像の演出が話題になったワンマンライブなども含めてひとつの作品として成り立つものとなっています。

初回限定盤には豪華特典も

「虚無病」の初回限定盤には、amazarashiのボーカル秋田ひろむのアコースティックライブが収録されたDVDが特典として付属しました。

また、秋田ひろむ本人が執筆した、本作の世界観とつながる小説も特典として同梱されています。CD作品の特典として小説が付くことは珍しく、話題を呼びました。

「虚無病」のリリースに際して2016年10月15日に行われたワンマンライブ「amazarashi LIVE 360°『虚無病』」では、この小説のストーリーが映像で描写されたり本文の朗読が演出として挿入されました。

この小説は、「虚無病」の世界観を構成するひとつの作品として重要な位置づけがなされています。

また、ワンマンライブの音源がダウンロードできるシリアルコードも初回限定盤の特典のひとつとして同梱されました。

「虚無病」の収録曲は?

全5曲が収録された「虚無病」。

表題曲以外に注目したいのは、秋田ひろむから歌手の中島美嘉へと提供された「僕が死のうと思ったのは」のセルフカバーでしょう。

中島美嘉のハスキーな歌声で切なく歌われたこの曲が、生みの親である秋田ひろむによってどう表現されているのか、必見です。

他にも「星々の葬列」、「明日には大人になる君へ」、「メーデーメーデー」と、タイトルだけで興味を惹かれる曲が揃ってひとつの世界観を演出しています。

表題曲「虚無病」のMVをチェック

「虚無病」のMVは、一曲を通して不穏な空気が流れるものとなっています。

MV中に挟まれるドラマ描写やアニメーションは、ミニアルバムに付属した小説の内容が描かれたものです。

攻撃的な曲も合わさって全編を通して張り詰めた緊張感が漂うこのMVは、観る人に気を緩める隙を与えてくれません。

どこか不気味で「怖い」と思わせるような映像世界ですが、そこにどんな意味が込められているのか探らずにはいられないミステリアスな魅力があります。

ライブ動画も公開

「虚無病」は、「amazarashi LIVE 360°『虚無病』」でのライブの様子もYouTubeに公開されています。

タイトル通り360°に渡ってステージのスクリーンに映像が映し出され、圧倒的な演出を見せているこのライブ。表情の見えないライブメンバーによる演奏やめまぐるしく変わる映像は、amazarashiにしか出せない確固たる世界観を見せています。

「曲にノッて動いたりせず、静かに鑑賞する」という文化がファンによって作られているamazarashiのライブ。時おり映る客席の映像で、およそ10000人の観客が皆微動だにせず演奏や演出を見つめる様は圧巻です。

「虚無病」の難解な歌詞

世界をシニカルに描く言葉の羅列

諸行無常未来都市 輪廻の環状線 抜け出せない因果と
去勢に至る 未来無き未来 選択肢なき幸福 
感染 反戦 我に返るも 手遅れ 潜れ 潜れ 
オーバーテクノロジーと心中して 生け贄 犠牲 人間性

侵入禁止区の春 生命の樹形図

患って列をなせ、弱きブレーメン 人間反対の姿勢を声高に表明
総人類、何らかの病気だろどうせ 欠陥品どものファンファーレ 

虚無の犠牲者

出典: http://j-lyric.net/artist/a052b38/l03c78c.html

「虚無病」の歌詞は、ここ最近リリースされたamazarashiの曲の中でも特に難解なものとなっています。

しかし、ひとつひとつの単語を見てみると、そのどれもが技術発展の代償に歪な部分も表れてきた現代社会を皮肉っているような表現になっていると分かります。

今の世界、これからの世界に生きることへの絶望が「虚無」という印象的なワードに表れています。