「いばらの涙」の謎を解きたい
棘のある木の総称(茨、棘、荊)。うばら。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/いばら
つまり“いばら”とは触るにも見るにも痛々しい植物の呼び名です。
さて、hyde氏作詞のこの歌の“いばら”とは何を指しているのでしょうか?
どんな意味が読み取れるのでしょうか。
とげとげしい“いばら”の流す涙とは一体?
耽美的でゴシックな世界観を紐解いていきましょう。
まずは1番の歌詞を解釈
この歌の主人公は誰なのか
望み亡くしたような湿った空へと
胸の奥に秘めた誓いを浮かべた
出典: いばらの涙/作詞:hyde 作曲:hyde
重苦しく灰色に曇った陰鬱な空を見上げる人。
この人は男性でしょうか。それとも女性でしょうか。
“この歌詞の主人公が誰なのかを探ること”。
それこそがこの歌詞を読み解くポイントかもしれません。
この主人公は何らかの強い祈りの気持ちを抱いている様子。
しかしこの雨模様の描写は迫りくる未来への不安を煽ります…。
虚無の情景
かわす言葉は皆異邦の人のようで
重く時を刻む城壁はそびえる
出典: いばらの涙/作詞:hyde 作曲:hyde
どうやらここには多くの人の姿があるようです。
ですがそのざわめきは無意味で虚しいもののよう…。
時計の音だけが現実を突きつけてきます。
なんとも無力な歌詞。
雰囲気としては古めかしい洋館を想像させます。
もしかしたら垣根には幾重もの“いばら”が絡みついているのかもしれません。
“いばら”は人々を拒む孤独な植物です。
空に突き抜けるような旋律
おぉ信じる魂を永遠へ導いて
出典: いばらの涙/作詞:hyde 作曲:hyde
ここからhyde氏の高音域になります。
天を仰ぎながら切なく、しかし力強く歌うhyde氏。
この歌詞からは希望への一縷の望みをかける主人公を感じ取ることができます。
神への祈りを捧げるような一文です。