燃えゆく身体は灰になって奪われても
汚れてなかったなら
その時は貴方が連れて行って
出典: いばらの涙/作詞:hyde 作曲:hyde
不条理な罰を受けた人の描写。
「自分は潔白なのか、それとも罪人なのか…?」。
そう天に問いつつ火刑に処されているシーンでしょうか。
誰が召されているのか?
そして誰に向けての懇願なのか?
思わず深読みしたくなる部分です。
最期の祈り
そしてそっと抱いて
抱いて
出典: いばらの涙/作詞:hyde 作曲:hyde
さて、「いばらの涙」の歌詞の意味とは…?
“いばら”とは罪の象徴です。
まるで有刺鉄線のような“いばら”。
肌に触れると深く食い込み、強い苦痛をもたらします。
体に巻き付けると身動きもままなりません。
つまり自由を奪う系統の刑罰を思わせるもの。
いばらをテーマにするこの歌には、さまざまな解釈が可能です。
さて、以下に独自の3つの解釈を挙げてみたいと思います。
解釈その1~いばら姫(眠れる森の美女)
恐ろしいグリム童話と重なる歌詞
歌詞からすぐ思い浮かぶのはグリム童話の「いばら姫(眠れる森の美女)」です。
悪い老仙女の企みにより、15になる美しい姫は塔の最上階に100年間眠ることになります。
しかし良い老仙女が計らい、“いばら”を垣根にして姫の眠る城周辺を守ります。
100年後、他国の王子がこのいばらの城を発見し人々の噂を頼りに城へ。
目覚めた姫と王子はめでたく結ばれます。
しかし…。
「いばら姫」の続編
「いばら姫」には続きのお話があります。
王子には一見心優しい継母がいましたが、じつは悪い老仙女の化けた姿でした。
この老仙女の実体は、近年この国を揺るがす人食い鬼だったのです。
正体を現し、王家の人々を食べようとする老仙女。
しかし返り討ちに遭い、蛇などに食われて身を滅ぼします。
悪い老仙女は自分の行いにより断罪されたわけですね。
それにしても哀れなのは、理不尽な理由で100年もの間呪いをかけられたいばら姫。
“いばら”とはこのように理不尽な呪いのモチーフとして扱われます。
悪い老仙女の言い分
悪い老仙女はおそらく自分のことを悪いとは思ってはいません。
むしろ「なぜ私が咎められなくてはいけないのか」と思いつつ死んでいったでしょう。
罪人に見える者にも理(ことわり)があります。
この老仙女は姫の祝福パーティーに理不尽な理由から招待されませんでした。
(くだらない理由ながらも)それを根に持ち恨んだ末、悪鬼となったのです。
悪い老仙女からすればこれは<理不尽な仕打ち>。
ただ、老仙女の最期が火刑でないところが歌詞とかみ合いません。
つまりこの歌詞の一部のみ(とくに1番の歌詞)が「いばら姫」と重なるだけ。
全歌詞が「いばら姫」童話で説明のつくものではありません。
そんなわけで、以下が次の考察です。