この部分に、彼の本当の気持ちがあふれています。

ループする世界はいわば無限の世界です。

しかし何も変化が起きず、ただ延々と同じことが繰り返される世界は、この世には存在しません。

時間は止まらないという残酷な真実や、彼女と別れてしまうという未来を全部なかったことにできるのは、永遠という概念だけ。

彼は自分だけしか見ることができない、自分のためだけの幸せな世界を手に入れたかったのではないでしょうか。

やっと受け入れた別れ

輝いて 輝いて
君は未来へ駆ける
笑顔って悲しいね
ここにいないなら

繰り返す 繰り返す
今日が終わるとしても
記憶って優しいね
そこにいるから

出典: Loop the night/作詞:河邊徹 作曲:杉本雄治

曲のラストになって、ようやく彼は彼女との別れを受け入れられたようです。

彼女が去ってしまったあとに残された笑顔は、その不在感を強くするだけ。

彼女はもういないという現実が、より鮮やかになって彼の心を襲います。

悲しみに暮れている彼の唯一の希望は、彼女と過ごした日の記憶。

どんなに時間が過ぎても、今日が一瞬で過去になっても、記憶だけは色あせません。

彼女を失った彼にとってその記憶の存在は、優しく心を温め続けてくれる貴重な燃料となるのではないでしょうか。

小説ではどうなっている?

WEAVER【Loop the night】歌詞解釈!あなたもループする?「流星コーリング」第3弾曲の画像

小説「流星コーリング」では、人工流星を3人で見に行った翌日から、前日をずっとループし続けます。

しかもその日は、彼女が体調を崩して学校を休み、人工流星も一緒に見に行けなかった日。

彼は人工流星を見ながら、指定校推薦で受かった東京の大学ではなく、地元の大学へ進学する決意を固めます。

そのことを次の日に、彼女へ伝えようと思っていました。

でもその「次の日」がやってこない……というところで、小説の公開は終わっています。

彼女に会えない日をループする世界と、二人がその後どうなってしまうのか、続きがとても気になります!

おわりに

WEAVER【Loop the night】歌詞解釈!あなたもループする?「流星コーリング」第3弾曲の画像

小説「流星コーリング」にリンクして作られた楽曲「Loop the night」

小説では「意図せずループしてしまう」という受動的な姿勢に思えます。

でも楽曲では「同じ日をずっと繰り返したい」という、能動的な姿勢に変わっているようです。

それはきっと、彼女と過ごしたなんでもない日がとても愛おしく、「ずっと側にいたい」と彼が心底思ったからではないでしょうか。

今この瞬間が幸せで大切すぎて、明日も同じ一日が繰り返せたらいいのに……と思ったことがある人は、少なくないはず。

残念ながら彼や私たちが望むような、永遠に同じ日を繰り返し続ける世界はありません。

そのかわり、心の中にある記憶はいつでも優しくて、温かい。

だからこそ人は、悲しいことがあっても生きていける。

そんなメッセージが、この楽曲には込められているように思えます。

小説と音楽を見事に融合させた「流星コーリングプロジェクト」もいよいよクライマックス。

物語の最後は、ぜひ皆さんの目と耳で確かめてみてくださいね!

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WEAVER【Loop the night】歌詞解釈!あなたもループする?「流星コーリング」第3弾曲の画像

最後にWEAVERおすすめの作品を3曲、ご紹介します。

まずは「流星コーリングプロジェクト」第1弾となった「最後の夜と流星」

プロジェクトの詳細やリリックビデオはもちろん、歌詞を小説の内容と照らし合わせてわかりやすく解説しています。

WEAVERの「最後の夜と流星」はロマンティックな歌詞と切ないメロディが胸に残る曲。突然明日が来なくなった世界で生きる男女の切ない恋心をつづった歌詞にキュンときます。今回はそんなWEAVERの「最後の夜と流星」の歌詞を解説していきます!

もちろん「流星コーリングプロジェクト」第2弾の「栞 feat.仲宗根泉(HY)」も外せません。

メンバーが敬愛しているHYのボーカル・仲宗根泉をゲストに迎えた本作は、リリックビデオも秀逸です。

「流星コーリングプロジェクト」の一環として配信されたWEAVER「栞 feat.仲宗根泉(HY)」。そのタイトルの“栞”が気になります。リリックビデオも交えて歌詞を解説します!

最後は彼らの代表曲である「僕らの永遠~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~」。

この曲でWEAVERを知った、という人は多いのではないでしょうか。

歌詞の中に出てくる「永遠」というキーワードや意味合いが、「Loop the night」に通じるものがあります。

バンドにしては珍しい、ギターレスのスリーピースバンド、WEAVER。彼らの代表曲である「僕らの永遠〜何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから〜」を紹介します。「手を繋ぎたいだけの愛」という言葉が響いてくるラブソングです。

少しでもWEAVERのことが気になった人は、ぜひこれらの曲も聴いてみてくださいね!

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