嘘に隠れた真実

正しくなれない 霧が毒をみた
片っ端から確かめたくて
考え続けたい
偽りで出会えた 僕らは何一つも
奪われてないから 

出典: 正しくなれない/作詞:ACAね 作曲:ACAね

1番のサビの歌詞です。 これまでは嘘という霧に覆われて、真実は知ることができませんでした。

しかし霧がはれていくことで、隠されていた負の側面がどんどん明るみになります。

それは本当は目を背けたい、霧に隠したままにしたいものだったのかもしれません。

それでも主人公はその全てを見つけ出して確かめたいと思っているようです。

それは主人公とともに育った相手との間に、例え偽りだらけだとしても確かな繋がりがあるからなのでしょう。

それは何があっても揺るがないという思いが感じられます。

真実を暴くために

冷めた気持ちを隠して

今 心を閉ざさぬように
腰眈々と 訓練を続けよ
枯れ木に 笑顔だけ
君の肉体 本心全て
無駄になんかさせないよ

出典: 正しくなれない/作詞:ACAね 作曲:ACAね

嘘に気づいた主人公は表面的には普通の態度をとっているようです。

急に心を閉ざしたような態度をとってしまっては、自分が嘘に気づいたことを周りに知られてしまいます。

主人公は、本当は嘘に気づいて冷め切った気持ちになっているのでしょう。

それでも笑顔だけは取り繕っているように読み取れます。

そして心のうちでは何か状況を変えるような考えを抱いているのでしょう。

相手が嘘をついていたのは何か理由があってのことなのかもしれません。

主人公は相手の本心を感じとり、嘘をつき続けた影に何があるのかを探っているようにも感じられるでしょう。

『約束のネバーランド』ではいえば、主人公たちが孤児院の真実に気づいた後のストーリーとリンクしています。

鬼側の大人たちに自分たちが真実に気づいたことを悟られてはいけません。

そのために表面上は取り繕っている主人公たちと重なっています。

全てを知った先の幸せ

ねぇ、知り得る方が幸せだって
辿り着いてもいい?

出典: 正しくなれない/作詞:ACAね 作曲:ACAね

主人公は嘘に気づき、表面上は取り繕いながら真実を追い続けていたのでしょう。

そして真実を追えば追うほど、新たな嘘が見つかっていたのかもしれません。

それは見つける度にショックを受けるものかもしれませんが、主人公は違うようです。

真実を全て暴き出し、いっそ全部を知る方が幸せなのではないかと考えているように感じられます。

君だけの真実を知りたい

君だけが見る 夕焼け風鏡 
僕でもいつか 解る日まで 
考え続けたい
偽りで出会えた 撓る枝分かれよ
導かれ

出典: 正しくなれない/作詞:ACAね 作曲:ACAね

2番のサビの歌詞です。

主人公は、嘘をついていた相手だけが知り得るものがあると思っているのでしょう。

それは相手だけが見ていた景色であり、相手だけが抱えていた真実なのかもしれません。

「風鏡」という独特な表現もACAねさんらしい表現です。

夜の暗闇が近づく夕暮れに抱えるように、ほの暗い寂しさや悲しさがあるようにも感じられます。

そんな相手の抱えているものは、今の自分には分からないことの方が多いのかもしれません。

それでもいつか理解しようとしていることが読み取れるでしょう。

偽りの中で出会った2人の行く末は、木の枝が途中で分かれるように別々にのびています。

例えこの先は違う道を進むとしても、それはそれとして受け入れようとしていることも読み取れるでしょう。

真実を求めた先にあるもの

揺るがない決意

大したもんじゃない 無駄なもんじゃない
視野は脳裏を 寛大にしていくように
ずっと もうずっと 茶化されようが 
折れない砂の罠

出典: 正しくなれない/作詞:ACAね 作曲:ACAね

主人公の行動は端から見れば無駄なあがきにも見えているものだったのかもしれません。

しかし主人公は強い決意をもって、真実を暴こうとしています。

その途中に多くの嘘や真実に直面し、出会う度に捉え方が変わってしまうのかもしれません。

それは嘘にも真実にも慣れてしまい、妥協して何でも受け入れてしまいそうになっているようにも感じられます。

しかしそれは本来主人公が望んでいることではありません。

例え抜け出すことが簡単なことではないとしても、真実を確かめ、現状からぬけだそうとしているようです。