the chef cooks meの音楽性
the chef cooks meは、2003年に結成された2人組のバンドです。
メンバーはASIAN KUNG-FU GENERATIONのサポートメンバーとして活躍しているsimoryoこと下村亮介。
彼らの音楽ジャンルはテクノポップ。
ここでテクノポップの定義について見てみましょう。
テクノポップ(Technopop/Techno Pop)は、シンセサイザー・シーケンサー・ヴォコーダーなどの電子楽器を使ったポピュラー音楽。1970年代後半から日本で使われた音楽用語で、和製英語である。この用語は日本国内でのみ用いられている。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/テクノポップ
ボーカルのsimoryoはキーボードも担当し、プログラミング音楽も得意としています。
そのため彼らの楽曲にも電子楽器が頻繁に使われているのです。
電子楽器特有のピコピコとした音で現代的な要素もありながら、何だか懐かしいという感情も生まれるテクノポップ。
激しい曲も少なく、心地の良いリズム感で私たちの生活に馴染む音楽です。
特にthe chef cooks meの音楽は「エモい!(エモーショナル)」という言葉がピッタリ。
グッと切なさに酔うような楽曲ではありませんが、どんな人も共感できるような切なさを提供してくれるのです。
あまりにも複雑な音楽性で上手く言葉に出来ませんが、とにかく聴いてみるとこの良さが伝わるはずです!
音楽好きなら思わずテンション上がる曲
アジカンの後藤正文プロデュースのアルバム
今回ご紹介する【環状線は僕らをのせて】。
この曲はthe chef cooks meの3番目のアルバム『回転体』に収録されています。
このアルバムは、ボーカルsimoryoがサポートを務めるASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文がプロデュース。
アルバムには様々なアーティストがゲストとして登場します。
音楽好きにとっては「あの人も、この人も参加してるの?」と驚いてしまうアルバムでしょう。
ゲストボーカルが多数参加
【環状線は僕らをのせて】にもゲストボーカルが数名参加しています。
アルバム『回転体』をプロデュースした後藤正文もボーカルとして参加。
それ以外にも、シンガーソングライターの岩崎愛やHUSKING BEEの磯部正文もこの曲を歌っているのです。
そして、その全員がMVに出演。
音楽の天才たちが歌い上げるこの曲は、もちろんセンス抜群です。
決して激しい曲ではないのに、心の魂が「うおー!」と叫び出してしまいそうになります。
歌に負けないくらい、映像もサブカルチックでお洒落。
音楽好きなら一度はチェックしておきたい曲です。
環状線と登場人物
環状線とは?
曲のタイトルにもなっている「環状線」。
歌詞の内容を理解するために、まずは環状線とは何かについて解説します。
環状線とは、環状(輪のような形)になっている道路やバス・電車などの路線を意味します。
MVでも曲を歌う全員が車に乗って道路を走っていたり、電車に乗ったりしています。
東京は皇居を中心に道路が環状に走っていて、山手通りや環七通りが有名。
また、電車だと大阪の環状線がよく知られているでしょう。
山手線も環状運転されていますが、途中から環状になったため環状線とはいわれないのだそうです。
何にせよ、輪のようにぐるぐると回っている道路や路線。
どこかで止まらなければ、ずっと終わりなく回っていられるのです。
その環状線の特徴が歌詞にどう活きてくるのでしょうか。
登場人物は僕と私
この曲には、僕と私の2人の目線から描かれた歌詞に見えます。
しかし、同じ車に乗る僕と私の気持ちにはすれ違いがあると推測しました。
どういった点からそのように感じたのかは、後ほど歌詞を見ていく中で詳しく解説します。
様々な人間の想いを乗せた環状線。
そこにはどんなドラマがあるのでしょうか。
それでは、リズミカルなのにどこか切ない歌詞の世界をのぞいてみましょう。