楽曲「飛行艇」

配信限定シングル

King Gnu【飛行艇】歌詞の意味を考察!飛び立った先に何がある?翼や滑走路を連想させる理由とは?の画像

King Gnuの楽曲「飛行艇」は2019年8月にデジタル配信限定でリリースされました。

一定のテンポを崩さない重低音と訴えかけるような歌声は今までとは一味違うKing Gnuのサウンドです。

サビらしいサビはないのですが、だからこそ歌詞の全ての言葉が心に響いてきます。

サウンド自体は洋楽のようなテイストにも関わらず歌詞は全部日本語。

しかもオブラートに包んだ遠回しな言い方ではなく、わりとダイレクトにメッセージが伝わってきます。

「飛行艇」でも常田さんの拡声器を使用したパフォーマンスがありました。

内容が深いので、よりリアルな感情が伝わってくるような気がします。

井口さんの透明感と常田さんの叫び、そしてそこに融合されるKing Gnuサウンドが心地よい楽曲です。

ANA国内版CMソングに起用

楽曲「飛行艇」は大坂なおみ選手が出演しているANAの国内版のCMソングに起用されました。

"ひとには翼がある"というテーマのCMであり、「飛行艇」のテーマとも一致しています。

何よりCMの中で大坂なおみ選手が言っている言葉が心に突き刺さりました。

最初から華やかな舞台にいる人はいないのです。

与えられた翼を使い、自らチャンスを掴みにいくからこそ夢を叶えることができます。

「飛行艇」の歌詞に描かれている世界もこれと似たような雰囲気になっていました。

ここからは歌詞の内容を解説していきたいと思います。

「飛行艇」の歌詞を考察

長い旅の始まり

どんな夢を見に行こうか
正しさばかりに恐れ戦かないで

出典: 飛行艇/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

序盤の歌詞では、これからどんな人生を歩いていこうかと考えているのです。

夢と希望に満ち溢れた様子が伝わってきます。

この先の未来には何が起きるかは分かりません。

だからこそ守るばかりではなく、自分の殻を破って突き進んで行こうと決意するのです。

特に歌詞2行目にある恐怖は、きっと多くの人が1度は抱いたことのある感情ではないでしょうか。

幼い頃は何が正しくて何が間違いか、試しにやってみて、経験してみて、そこから学んでいきます。

しかしある程度その経験値が積み重なれば、何事も試す前からそれが正しいか間違いか判断できるようになるのです。

大人が新しいことへの挑戦に対して臆病になるのも、これが1つの理由でしょう。

正しさは、言葉を変えれば「正義」のようなものとして人々に認識されがちです。

つまり正しいことばかりを追い求め、間違いかもしれないことは切り捨てる。

大げさかもしれませんが、「正しいことをしなければ」という強迫観念にもなり得るのです。

King Gnuはそんな感覚に支配されることに対し、警鐘を鳴らしているのでしょう。

人生の階段を登っていく

自由自在に飛び回って
ステップ・バイ・ステップ
ビートを刻んで
果ての無いパーティーを
続けようか

出典: 飛行艇/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

「飛行艇」の歌詞の中には"飛ぶ"というフレーズがたくさん登場します。

それは飛行しながらも水面に胴体着陸できる"飛行艇"をイメージしたからでしょう。

自分が秘めている可能性は無限大にあります。

歌手、モデル、俳優などかつては1つのジャンルでしか活動していなかった人も今やモデルで俳優で歌手だったりします。

才能は1つではなく、自分の努力次第で何者にでもなれてしまうのです。

それはまるで水陸両用の飛行艇のようにも思えました。

ここでのパーティーとは自分の人生そのもの

ここから階段を登るように自分の人生を歩んでいこうとしている様子が分かります。

まだまだ先の長い人生を俯きながら過ごしていたらもったいないのです。

目標を持ち、前を向いて進んでいくことによって世の中の様々なものを見ることができます。

きっとそこから新たな夢が見つかることもあるでしょう。

3行目のフレーズは、そうして前向きに生きようとする人への後押し。

軽快なリズムを刻みながら、飛び跳ねるように楽しく歩んでいく人生がイメージできます。

きっと「歩みを止めるな」というKing Gnuからのメッセージでもあるでしょう。

楽曲の途中でビートが止まることはありません。それは最後まできちんと刻み続けるものです。

それは人生も同じ。

命が終わりを迎えるまでビート、つまり挑戦や努力、前に進むことを止めてはいけないのです。

そして歌詞最後の行では、まるで人々に誘いかけるかのような言葉が使われていますね。

King Gnuはきっと1人でも多くの人に、前向きな人生を歩んでほしいと願っているのでしょう。

力強く歌いながらも、聴く人々に優しく手を差し伸べ続ける。彼らの大きな包容力を感じます。

広い世界を飛び回ろう

この時代に飛び乗って
今夜この街を飛び立って
大空を飛び回って
命揺らせ命揺らせ

この風に飛び乗って
今夜台風の目となって
大空を飛び回って
命揺らせ命揺らせ

出典: 飛行艇/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta

自分自身の目指す場所が決まったらあとは夢に向かって飛び出すのみです。

中途半端な気持ちでは挫けてしまうことを"命"というフレーズが教えてくれます。

自分の夢と真剣に向き合っていれば自ずと進むべき道は開けてくるでしょう。

"大空"という言葉が夢の大きさを表しています。

狭い場所に囚われず、広い世界を見て様々な人や物に触れることが成長に繋がっていくのです。

だからこそ立ち止まっている時間は1秒もありません。

ここのフレーズは、King Gnuが自分自身に言い聞かせているようにも聴こえますね。

歌詞6行目にあるとおり、成長して周りを巻きこめるだけの影響力を持つことを望んでいるのかもしれません。

音楽で人の心を動かし、人の行動を変え、その人の人生に影響を与えること。

そんなアーティストを目指したい!という決意表明のようです。