インターネットに監視されてる
そこら中にいる匿名パパラッチ

出典: Witch/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

ネット上で、気軽に書き込みができるようになりました。

同時に知っておかなければならないこともあります。

ネットに書きこんだことは、全世界の人に見られる可能性を持っていることです。

誰でもあなたの行動を見張ることができます。

小さな隙を見せたら、過去の投稿をさかのぼって追及することも可能です。

過去には、週刊誌やカメラに追われるのは芸能人や政治家のみでした。

今は、ネットに繋がるすべての人が、互いに互いを見張り合っているのです。

見るだけの人

磔られた人を横目で見る
分かっているけど口には出さない

出典: Witch/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

「はりつけ」は、キリストも受けた刑罰の一種です。

罪人は、人々の恐怖をあおるために使われました。

しかし、物事には人の数だけ感じ方があります。

晒された人を見て、ただ通り過ぎるだけの人も多いのではないでしょうか。

さらにもしそれが国ではなく、個人によって作りあげられた「罪人」だとしたら。

「かわいそう」「ひどい」と思いながらも、何も言わないかもしれません。

最悪の場合すぐに忘れてしまうのではないでしょうか。

結果、批判されて傷ついた人は、味方も頼れる人もなく放り出されてしまいます。

みんなその人のことを知っていながら、他人のように振る舞うのです。

本当の善と悪って何?

全国各地日本列島 お祭り騒ぎ生け贄献上
繋いでくんだ点と線を 善悪なんて本当に適当

出典: Witch/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

同じようなことが、全世界で行われています。

日本だけに限っても、相当な件数に上るでしょう。

まったく別々の要素を持ってきて、いい加減につなぎ合わせて、批判の種を作るのです。

批判することが目的になっているので、自分の主張の正しさは脇に置かれています。

一体何が本当に正しいのでしょうか。

何が悪いことなのでしょう。

突き詰めて行けば、正義と悪の観念は時代や社会通念に左右されるものです。

歴史全体を貫く観念は、今の所存在しません

それなのに絶対善、絶対悪があるように見せかけて、批判の波が広がっています。

「僕ら」と「彼ら」

悪いのはいつも

僕等はいつでも他人事
いじめをするのはいつだって彼等だし
クソな上司も彼等だし
悪者はいつだって彼等なんだ

出典: Witch/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

世間は痛ましい話題で溢れています。

画面越しに知るそれらの情報を見て、「かわいそうに」と口にする人もいます。

けれど、実際に自分の身に引きつけて考える人はごく少数です。

みんな心のどこかで、「でも、自分は大丈夫」と信じています。

自分は、何も悪いことをしていない。

世界に、ただ悲しい出来事があるだけなのです。

数が合わない

どこにいるんだ腐った人間
みんな被害者で加害者が少ない
もしかして僕等が加害者?
面白い事言うねぇ

出典: Witch/作詞:Fukase 作曲:Fukase,Nakajin

もしも大勢を集めて「批判者」探しを始めたら、おかしなことがおこるでしょう。

みんな「他の人が悪い」と主張するだけなのです。

世界が、国が、政府が、あの人が、悪い。

自分は被害を受けている側である。

画面上で見るのに対して、被害を受けた人の方が圧倒的に多くなるのです。

ここで、誰かが小さな可能性に気づきます。

ですが大多数の人は、それを認めようとしません。

自分も悪者だったということになったら、自分の罪を認めなければならなくなるからです。

当事者になれば、傍観していることはできません。

だから「おもしろい」とだけ笑い飛ばして、何も気づかなかったことにするのです。