「小さな惑星」に潜むKing Gnuらしさとは
■CEREMONY
King Gnuの3枚目のフル・アルバム。2020年1月15日にAriola Japanから発売された。
■小さな惑星
Honda「VEZEL」『PLAY VEZEL 昼夜』篇 CMソング
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/CEREMONY
「白日」が収録されたアルバム「CEREMONY」。
「Sympa」(シンパ)に続くこのアルバムの8曲目が「小さな惑星」です。
車のCMソングに起用された楽曲なので、TVCMで耳に残った方もいるでしょう。
同じ風景の昼夜違いという映像で、昼はKing Gnu(キングヌー)。
夜はFriday Night Plans「HONDA」が流れるという粋な仕かけが話題になりました。
そんな「小さな惑星」はCMの映像どおり、車が疾走するイメージで作られた楽曲。
力強く躍動するドライブ感がサウンド全体で表現されています。
ちょっぴり不思議な曲名はCMの車種や車名にちなんだと考えられます。
ヴェゼル (VEZEL) は、本田技研工業が製造・販売するコンパクトクラスのSUVである。
カットした宝石の小さな面 (Bezel) とクルマ (Vehicle) を組み合わせた造語で、「角度によって表情を変える宝石のように、多面的な魅力と価値を持つクルマ」を意味する。
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/ホンダ・ヴェゼル
宝石のように多面的な輝きがある、小型の多目的スポーツ車。
そう考えると曲名の意味が何となく腑に落ちるのではないでしょうか。
ただ、タイアップ曲としてのイメージだけではなく、King Gnuらしさも盛り込まれているはず。
宇宙っぽい曲名ながらも、歌詞に描かれているのは日常の何気なさです。
常田大希さんが作詞をした歌詞の世界観、曲に込められた愛について考察します。
1番の歌詞を見よう!
毎朝きちんと起きる日常
ずっと夢を見ていたいのに
決まった時間に今日も
叩き起こされるんだ
出典: 小さな惑星/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
誰にでも当てはまりやすい状況です。
どれほど眠たくても、毎朝きちんと起きて、仕事や学校に出かける。
遅刻しないようアラームをセットしていて、二度寝はできません。
もしかしたら車で出勤するサラリーマンのイメージなのでしょうか。
常田大希さん自身かもしれません。
あるいは誰もが自分自身の日常を重ねられるようにもなっています。
息つく暇もないほど忙しい
大きな欠伸くらい許してよ
酸素が足りずに今日も
産声をあげているんだ
出典: 小さな惑星/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
主人公は睡眠不足の様子。
気持ちいい目覚めではなかったので、盛大にあくびを漏らしてしまいます。
誰かに指摘されたのかもしれません。
生まれたての赤ちゃんのような泣き声をあげただけと言い訳をしています。
何しろ空気が薄いのだから仕方がないでしょう?といった雰囲気です。
仕事が忙しすぎて息つく暇もない。
実際はそんな意味と解釈できます。
もしかしたら常田さん自身のエピソードが元になっているかもしれません。
ただ、あくびの言い訳でありながらも詩的な表現ではないでしょうか。
この地球は酸素が薄くてたまらないと言いたげな宇宙人っぽさも漂います。
もちろん比喩的な意味。実際には場にそぐわない部外者くらいの感じです。
サビの歌詞!日常の何気なさに潜む愛とは?
地球で起きる些細な日常
小さな惑星の
いつもの街角の
何気ない陽だまりの中で
出典: 小さな惑星/作詞:Daiki Tsuneta 作曲:Daiki Tsuneta
曲名が出てきました。
意味は「地球という惑星で起きる些細な日常」といったところでしょう。
日常に潜む「ささやかな温もり」に気がついたという展開です。
この温もりによって、眠たそうだった主人公の日常に変化が表れます。