「残響リファレンス」の中の異色作

金属的なアルペジオが耳から離れない。

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「世間知らずの宇宙飛行士」は、ONE OK ROCKアルバム「残響リファレンス」に収録されている曲です。

作詞や作曲はTakaではなく、ベースのRyotaとドラムのTomoyaが作詞・作曲です。

そのせいかどうか、少しテクノ的な要素を持ったアルバムの中での異色作です。

テクノとは言ってもカテゴリ的な意味での表現で、ピコピコした軽い電子音というわけではありません。

ディストーションで特に高音部を歪ませたノイズ的な音源が印象的な楽曲です。

イントロから始まるシーケンサーの金属的なアルペジオが、不安感、緊張感を高めます。

アルバムを聴いてからこのアルペジオがずっと頭から離れませんでした。

とても印象的な導入部分です。

始まった宇宙の旅

恒星間をめぐる宇宙船

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Got to the sun and pass all the stars
Down to the moon and heading to Mars

出典: 世間知らずの宇宙飛行士/作詞:Tomoya・Ryota 作曲:Tomoya・Ryota

got to the sunは「陽を浴びる」というような、太陽の光を浴びるという表現です。

宇宙でのストーリーですから「太陽光」という語の方がなじみそうです。

down to the moonは、down to the wireのように「(下を)くぐり抜ける」という感覚です。

 

太陽光を浴び、恒星間を突っ走る

月をくぐり抜けて、火星に向かう

 

宇宙空間を縦横無尽に飛び回る宇宙船の機体が目に浮かびそうです。

韻の踏み方が詩的で航海日誌のようでもありますが、順風満帆な宇宙旅行というわけではなさそうです。

異変

おや、焦げくさいぜ

Smells like burning
Now I'm out of orbit
Watch the turning
In my head you're saying good-bye...

出典: 世間知らずの宇宙飛行士/作詞:Tomoya・Ryota 作曲:Tomoya・Ryota

orbitは天体や宇宙船の軌道ですから、out of orbit「軌道から外れている、それている」

the turningは「回転」を意味します。

watch the turningで「(航空機や船が方向を変えて)回転しているのがわかる」。

宇宙船が本来の軌道から外れてしまうことは、宇宙の果てまでの旅、すなわち死を意味します。

緊急事態発生!

 

おや、焦げくさい臭いがしている!

軌道をそれて、回転している!

みんなの別れの言葉が

脳裏に浮かぶ サヨナラ…

 

焦げくさい臭いが立ちこめた機体の中で主人公は異常に気付きます。

正しい軌道からはそれているし、機体は回転しています。

この場合のGood byeは日常の「さようなら」というような挨拶ではありません。

戻らぬ旅にでた者、死に瀕している者へのメッセージとしてのグッバイです。

この何度も繰り返されるGood byeがとても印象的で、楽曲の中でも次第に熱を帯びてくる部分です。

何とかしなければ…

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