6.平日のブルース
休日の後に迫るのは「平日のブルース/back number」。
曲順一つにもストーリーを作っているような凝りようで、聴者をとことん楽しませてくれます。
さて最初にブルースの説明をしましたがこちらのタイトルの意味も「憂うつ」と捉えて良いでしょう。
心地よいテンポでストロークを刻むギターのイントロが、忙しない平日の始まりを物語っています。
流れてく毎日の中で
僕自身の身の丈知りつつも
ここに自分らしさはあるのかと
いまだに問いかけ繰り返す
出典: 平日のブルース/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
「青い春/back number」では思春期の葛藤を描いていました。
打って変わってこちらは社会人となった大人のモヤモヤを表しているように思います。
心に迷いがあるという点で歌詞の方向性は似ていますが、この曲では少しずつ答えが見えてくるようです。
目の前の人を幸せにしよう
それだけでどんな過去も救えるんだ
出典: 平日のブルース/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
「日曜日/back number」で愛する人という幸せの形を見つけたからこそ辿り着ける答え。
何のために頑張るのか、大人になったからこそ見つけられたようにも捉えられます。
さて、ここまでアルバム収録曲の半分をご紹介してきました。
一曲の中だけでなくアルバム全体を通してもストーリー性を感じられる構成力が見事ですね。
7.笑顔
君の声をいつでも待っている事に気が付いたよ
そう思っても伝えないから君は怒っているのだろう
出典: 笑顔/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
七曲目は映画「今日、恋をはじめます」のテーマソングに採用された「笑顔/back number」。
出だしのギターが奏でるたった4音の旋律が聴く人の心を惹きつけます。
歌詞で語られているのは愛する人に対する改心の思いです。
ここでも前曲との繋がりが
絵にも歌にもならない毎日の中で募った言葉にならない想いは
言葉にしなくちゃ目には見えないものだから
ここから君がいなくならないうちに
出典: 笑顔/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏
「エンディング/back number」のサビでは「君の代わりなどいないと気付いた」と後悔を歌っていました。
ここではその経験を活かしてなのか、失う前にどうにか改善しようという思いが見られます。
歌詞に登場する主人公が仮に同じ人物だとしたらアルバム一つで人生を歌っているようなストーリー性ですよね。
この曲の中でいう彼女は「日曜日/back number」で登場していた人であってほしいと切に願います。
掴みも締めも完璧!
君の声をいつでも待っていることに気が付いたよ
そう思ってると言えたから君は笑っているのだろう
出典: 笑顔/作詞:清水依与史 作曲:清水依与吏
このラストは、始まりの一節に対して結末だけ変えた素敵な構成ですよね。
親しき仲にも礼儀あり。
「好き」という直接的な台詞ではなくても、慣れ親しんでしまった相手に思いを伝えることは大事です。
後悔や幸せの曲だけでなく、よくある恋愛教訓も素敵な一曲に変えてしまうのもback numberの魅力といえます。
8.ささえる人の歌
元気で毎日暮らしてますか
朝は起きられているのでしょうか
出典: ささえる人の歌/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏