恋愛ソングがたっぷり続いていましたが、ここで視点が少しかわります。

「ささえる人の歌/back number」では、遠くにいる大切な誰かについて歌った曲。

冒頭の気遣いに満ちた台詞に胸打たれます。

そしてこちらも聴き手の大切な存在によって色々な解釈ができるのが魅力です。

たまに疲れたら帰っておいで
あなたの好きなものを作って待っているから

出典: ささえる人の歌/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

ホロリときてしまいそうなラストの一節。

どんなに苦しい時も大切な人の言葉一つで気持ちが救われることってありますよね。

相手は親や恋人、遠くで暮らす妻や夫かもしれませんし、娘なんて可能性もあります。

改めて自分にとっての大切な存在に気付かせてくれる一曲です。

9.bird's sorrow

ほっこりとした後にくるのはイカしたロックチューン。

この「bird's sorrow/back number」は流れるようなサウンドの中に深い話を盛り込んでいます。

いつでもそうなんだ
どっかで誰かが泣いていて
そのとなりの部屋では誰か笑っていて

出典: bird's sorrow/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

自己と他者を見つめると、人生とは?という哲学から抜け出せなくなることがあります。

この曲ではそんな哲学を盛り込んでいるんですね。

ここまでは自分にとっての憂うつなどを歌っていましたが、ここまで世界を客観視した曲は今回初めてです。

10.助演女優症

視点はさらにかわって、珍しく女性目線の曲に入ります。

飽きのこない構成ですね。

「助演女優症/back number」のテーマはズバリ禁断の恋です。

甘い声で誘い出して私の気持ち全部わかってるくせに
都合が良くって頭の悪い女を演じてあげる

出典: 助演女優症/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

タイトルに繋がるストーリーのプロローグがこの一節で語られています。

冒頭の歌詞から切なく苦しいですよね。

ここまでアルバム全体のストーリー性についても綴ってきました。

この女性が関わっている男性はどうなのでしょうか。

「日曜日/back number」や「笑顔/back number」に登場する人とは別であってほしいものです。

11.僕が今できることを

アルバムも終わりに向かっていきます。

「僕が今できることを/back number」は最初の語りから思わず「そうきたか!」と唸るナンバーです。

歩いてきた道は
楽しいだけじゃなかったな
だけど思い出し笑えるのなら
今が幸せとゆうことだろう

出典: 僕が今できることを/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

前の曲で色々な憂うつを歌ってきましたが、この曲はまるでそれらのアンサーソング。

タイトルやサビで使われている「僕が今できることを」が憂うつの末に辿り着いた答えなのでしょう。

また、アルバムの終盤で「人生を振り返る」ソングを入れていることにも驚きました。

懐かしさが残るメロディラインと相まって心をしんみりさせます。

そして【blues】のラストへ聴き手を導くのです。

12.恋