銀杏BOYZ【銀河鉄道の夜】歌詞の意味を徹底解説！あなたに見せたい世界とは？星空に投影する純情に迫る

「星めぐりの口笛」もまた、童話「銀河鉄道の夜」に登場する言葉です。

童話の中で星祭を楽しむ子供たちは星めぐりの口笛を吹きます。

そして、カムパネルラと共に銀河鉄道に乗ったジョバンニも。

孤独を癒やすように星空と銀河鉄道に思いを馳せるのです。

その姿は童話の中で孤独を抱えているジョバンニと重なります。

星めぐりの口笛は「星めぐりの歌」として歌詞のついたものが作られました。

宮沢賢治作詞作曲のものですので、是非聴いてみてください。

そして、「ひとりぼっち」であることがここで明示されます。

何も持たずひとりぼっち。

涙が枯れるほど悲しくつらいことがあったことも読み取れます。

「恋人たち」とは対照的に、「僕」はひとりぼっちなのです。

恋人に限らず、「あなた」は家族や友人だったのかもしれません。

そんな大切な人を失い、「僕」は一人星空の向こうに思いを馳せるのです。

何度となく「君」に呼びかける「僕」。

ひとりぼっちでとても悲しくとも、こう呼びかける意図は何なのでしょうか。

ここでの「君」は、サビでの「あなた」と同じ人物でしょう。

「あなた」に見える世界、「僕」が「あなた」に見せたい世界。

それは、今「僕」が生きている現実の世界です。

空の向こうへ行ってしまった人に、この世界はどう見えるだろうか。

「僕」はそれを素晴らしい世界と歌うのです。

悲しみや死、別れや孤独に満ちているこの世界。

それでもこれは素晴らしい世界だと歌います。

それはきっと、いなくなってしまった「あなた」を悲しませないためなのでしょう。

「あなた」が「僕」に残してくれた世界。

その世界は素晴らしいのだと、「僕」は「あなた」に歌いかけるのです。

かつて共に生きていた世界は素晴らしいと、純粋な願いを籠めて歌いかけています。

「僕」にとって「銀河鉄道の夜」は、祈りであり願いです。

間奏部分に使われているクラシックの一節。

これはバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」の一節です。

童話「銀河鉄道の夜」にも、光り輝く十字架を前にハレルヤと祈る人々が登場します。

それと同様に、この歌は「僕」にとっての祈りなのです。

映画「バースデーカード」のように、童話「銀河鉄道の夜」のように。

共に生きていたいと願っても、死によって永遠に分かたれてしまうことはあります。

けれどもし、死んでしまった大切な人とまた出会えるとしたら。

死んだ後に母から届く手紙や、ほんの僅かな時間友と夢の中で旅をしたように。

その時「僕」が「あなた」に伝えたいこと。

それこそが「自分が生き続けるこの世界は素晴らしい」ということなのでしょう。

星空の向こうにいる大切な人を思い、その人ともう一度会えたらと願う。

そんな切なくも美しい純情が「銀河鉄道の夜」には重ねられているのです。

さて、GOING STEADYとしてリリースされた「銀河鉄道の夜」も丁寧な解説があります。

是非そちらもご覧ください！

「バースデーカード」で同じく挿入歌に使われた「BABY BABY」の記事もおすすめです。

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