「闇夜」に描かれた孤独と苦痛
過酷な運命を生きる人へ
アニメ「どろろ」2期エンディングテーマとして起用されました。
歌詞には「どろろ」の登場人物である百鬼丸に寄り添うような言葉が多く見受けられます。
孤独に生きている人、過酷な運命の中で必死にもがいている人には、特に聴いてほしい一曲です。
今回はその歌詞の意味を考察していくので、ぜひ最後までお楽しみください。
「どろろ」ってどんなストーリー?
楽曲の世界感をより楽しむため、まずは簡単に「どろろ」のストーリーをチェックしてみましょう。
主人公は前述した百鬼丸という少年。
48体もの魔物の生贄として捧げられ、48カ所の体が欠損した状態で生まれました。
そのまま川に捨てられてしまったのですが、運よく医者に拾われ、義手や義眼などが施されます。
百鬼丸が欠損した体を取り戻す方法。
それは、48体の魔物を倒すことです。
百鬼丸はどろろというもう一人の主人公とともに、体を取り戻すための過酷な旅に出ました。
そしてその旅の内容がストーリーでは描かれています。
MVをチェック
こちらが「闇夜」のMVです。
暗闇の中で燃えた身体のまま歩いているのが印象的ですね。
とても残酷で孤独な世界感です。
しかも体は燃えるだけにとどまらず粉々に崩れ落ちてしまいます。
この男性は何と戦っているのでしょうか…。
最後の暗闇が晴れるシーンは、この楽曲の重要なメッセージが込められている気がします。
それでは、歌詞を読み解いていきましょう。
苦しそうな生き様
まずは主人公がひたすら苦痛を味わいながら生きていることが描写されます。
Eveにしか表現できない精神世界をお楽しみください。
過酷な運命に生まれた命
救いなどない
生まれ堕ちてきた
歪な心の形に
勇ましい鼓動の叫び
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
百鬼丸の誕生とリンクする表現ですね。
生まれる環境やタイミングを選ぶことはできません。
百鬼丸が多くの欠損を抱えて生まれたことを踏まえての歌詞なのでしょう。
この楽曲では「心」にスポットライトを当ててています。
過酷な運命に産み落とされた命。
通常は産声をあげますが、百鬼丸には口がありませんでした。
だからこそ心臓の鼓動で叫んでいるのでしょう。
主人公が探しているのは?
振り向きはしない
修羅の道だって
枯れゆく季節など超えて
確かな真実を探した
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
不運を嘆いていても何も始まらない。
そう考えた主人公はひたすら前進を続けます。
MVの人物も顔を燃やしながら歩いていましたね。
身体の一部が焼けている感覚に匹敵するほどの、心の痛みなのでしょう。
主人公は何を探し求めているのか。
百鬼丸の場合は体を取り戻そうと旅をしていましたね。
でも「闇夜」では「心」について歌っています。
この過酷な境遇に生まれ落ちた意味や、生きる理由を求めているのかもしれません。