醜い姿に
その痛みさえも気づけないまま僕達は
この皮も剥がしてしまったの
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
「皮」とは何のことでしょうか?
「化けの皮」という言葉があります。
これは嘘やうわべという意味。
醜い自分を「皮」に例えているのではないでしょうか。
その「皮」を主人公自身、忌み嫌っているようです。
そして「化けの皮」を剥ぐように自ら剥がしてしまいました。
剥がすのには痛みも伴うと描写されています。
それはまるで皮膚を剥がすように…。
生々しい描写ですが、主人公は恐らく実際に「化けの皮」など被っていませんでした。
自ら嫌って、ないはずの「化けの皮」に見立てた皮膚を剥がして、傷つけてしまったのです。
痛みに慣れてしまった主人公は、痛みに気づくことさえなかったのでしょう。
前進するのはなぜ?
前進すればいつか変わる
ああいつだって
愚かさに苛まれているの
でもさ辛くなって
終わらない夜ならば
きっと疑わぬ貴方
呪われた世界を愛せるから
全てを背負った今
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
辛い運命であっても「愛」が生まれる。
そう歌っているように読み取れます。
先ほど主人公は「真実」を求めていました。
何か確信を持っているからこそ、歩みを止めないのでしょう。
己を信じて突き進めば道は開かれる…。
そんな「後押し」のようなメッセージが伝わってきます。
抑え込んだ心
憂いを纏い
闇に堕ちてきた
淀みない言の葉さえも
塞ぎこんでしまうなら
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
ここでは「生まれ落ちた」という言葉と「堕ちた」を掛け合わせているのかもしれません。
主人公は生まれたときから暗闇しか見ていないのです。
そして「淀みない」とは「なめらか・円滑」という意味。
湧き上がる本心のことを表現していると考えられます。
でもそれすら抑えつけられ、蓋をせざるを得ない状態…。
強い抑圧が読み取れますね。
百鬼丸の姿そのもの
産声などない
吐き出すことだって
いくつもの刃携えて
心に鬼を宿した
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
これは百鬼丸のことを歌っているのでしょう。
前述したように、産声がないのはそもそも口が欠損しているから。
そして義手には戦うための鋭い刃が仕込まれています。
生まれたときから見捨てられてしまった悲しい定。
過酷な運命は彼の心を傷つけ、ある強い感情を植え付けました。
「鬼」からは怒り、恨み、憎しみ、悲しみなどが読み取れます。
明日のために生きる
浅ましい声に
この世界からはじき出されてく僕達は
それでも明日を願ったの
出典: 闇夜/作詞:Eve 作曲:Eve
見捨てられた百鬼丸だけでなく、全ての疎外感を持つ人への言葉に感じられます。
世界から追放されても唯一諦めずに貫いていること。
それは生きることです。
今は苦しくても明日は何か変わるかもしれない。
そして明日を生きてみて辛ければ、次は明後日に希望を抱いて生きる…。
この繰り返しを歌っているのではないでしょうか。