「転がる」ことはロックにおいて、非常に重要な動作です。
それは常に(自由を求めて)行動を起こし続けることを意味します。
伝説的なロックバンドThe Rolling Stones(=転がる石)の名前の由来は、「Rollin’ Stone」というブルースの曲から取られています。
またAKB48も「転がる石になれ」という曲をリリースしましたし、ASIAN KUNG-FU GENERATIONには「転がる岩、君に朝が降る」という曲があります。
どこに向かっているかわからないけど、進み続けるというニュアンスが、「転がる」という動作には含まれています。
フジファブリックもそれらと同じ主張をしてきました。でも「進み続けられる天才」よりも、僕らに寄り添った歌詞を書いています。
確かに誰だって傷つきたくないし傷つけたくないよな、俺もそうだよ!と優しく語りかけてきます。
それでも自分の今いる場所に留まり続けるより、わけのわからない所まで行っちゃって、やたら高い壁にぶつかった方が面白いぞ!と教えてくれるのです。
努力の先には
電光石火 突っ走れ 電光石火 超えて行け
立ちはだかった壁ぶち破れ
電光石火 煌めいた 瞬間だけがきっとある
感動的な夜を待ってる
出典: 電光石火 / 作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
そしてその壁を越えた先には、きっとやってきて良かった!と思える夜が待っています。
夢のある未来へ
愛すべきYesterday さようならを言うのさ
夢のない未来にさようならを言うのさ
行くのさ ガムを噛みながら 南風 受けて進め
出典: 電光石火 / 作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
みなさんが今いる場所はそれなりに居心地の良い場所だと思います。
でもその愛すべき日常を捨てて、夢に向かって全力で駆け出そう!と語っているのです!
南風は暖かいですよね。だから追い風だと思います。困難の比喩に南風は使わないでしょう。
つまり流れは来てるぞ!今夢を追いかけよう!というニュアンスになっています。
でも南風を背中に受けて進むということは、冷たい北の方向へ進むことです。
つまり夢を追う先には困難が待ち受けているという比喩と読めるのです。
ガム
ガムはフジファブリックにとって、特別な意味を持つ言葉です。
実は山内は二代目のボーカルで、その前に初代ボーカル・志村正彦がいました。
彼が2009年に亡くなり、ギターを弾いていた山内がボーカルとなって、フジファブリックは今の編成になりました。
2014年にリリースされた「Gum」という曲に、山内は志村への想いを込めたと言われています。
そこでガムは過去の思い出を「噛み締める」比喩として登場します。
山内にとって「ガムを噛む」とは志村との思い出を振り返ることであり、僕らにとっては「忘れたこと覚えたこと」について考えることなのです。
過去の経験はどんどん漂白され、その時の思い出はセピア色に変わっていきます。遠くなっていく思い出と味が抜けていくガムの類似性に注目した比喩なのです。
過去があるから未来があるのだ、全部捨てて先に進むわけじゃないよ!と伝えてくれます。
進め!
電光石火 突っ走れ 電光石火 超えて行け
遥か彼方 どこまでも
電光石火 突っ走れ 電光石火 超えて行け
立ちはだかった壁ぶち破れ
逆境だって胸を張れ 先頭切って何度でも
感動的さ 君を待ってる
出典: 電光石火 / 作詞:山内総一郎 作曲:山内総一郎
そしてCメロの透明な雰囲気から、力強いサビに来ます。
胸を張って突っ走れ!と僕らを励ましてくれます。
おわりに
過去も背負いつつ、先へと進んでいけ!夢を叶えろ!大人だってやれる!
そういう歌になっているのだと、僕は思っています。
若者に「いけ!」と言っていたSugarの頃から比べると、年月が流れたことを感じますね。
ベテランバンドとなったフジファブリックですが、これからも進化し続けてくれそうな予感がする曲でした!
来月、再来月とどんな曲がリリースされるのか楽しみですね!彼らの新曲に期待大です!それでは!
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