歌詞から紐解く「生きとし生ける物へ」
シングルのジャケットに描かれているてんとう虫。
「万物の代表として、どんなに小さくても光を浴びて輝かしく存在している」生命の象徴として描かれています。
タイトルの「生きとし生ける物へ」。
「古今和歌集」の「花に鳴く鶯(うぐいす)水にすむ蛙の声を聞けば生きとし生けるもの いずれか歌を詠まざりける」から付けられました。
ではさっそく、同曲の歌詞をご覧下さい。
人間なんてちっぽけな存在
やがて涙は渇くとて
風に吹かれちゃいられない
僕は君が思うような人間じゃない
そうさそんな人間じゃない
どうにかなるさと戯けても
どうにもならないことがある
これじゃまるでピエロか占い師
子等の放った御影石
たかが言葉と嘯けど
されど言葉の摩訶不思議
かつて猿が手にした玉手箱
箱の中には何がある
嘘と真の化かし合い
それを眺める天邪鬼
何処も彼処も言うなれば極楽と
数の足りない七並べ
出典: 生きとし生ける物へ/作詞:森山直太朗/御徒町凧 作曲:森山直太朗
歌詞を文字に起こしてみると、これは「歌」ではなく「ポエム(詩)」です。
人間の愚かさ、未熟さ、儚さを歌っています。それは人間を卑下しているのではありません。
どんなに文明が進んだとしても、しょせん人間はちっぽけな存在なのです。
私たち人間が、大きな地球という括りのなかでどれほど傲慢に生きているかを痛感させられます。
この歌詞には、そんな想いが込められているのではないでしょうか。
人は自然と同化する
朝焼けは闇の向こう 真実は悲しいほど勝手なもんさ
生きとし生ける全ての物へ 注ぐ光と影
花は枯れ大地は罅割れる そこに雨は降るのだろう
明日へと さあ進め 運命とは儚きあの旋律のようさ
生きとし生ける全ての物へ 注ぐ光と影
花は枯れ大地は罅割れる そこに雨は降るのだろう
僕は君が思うような人間じゃない
そうさそんな人間じゃない
もはや僕は人間じゃない
出典: 生きとし生ける物へ/作詞:森山直太朗/御徒町凧 作曲:森山直太朗
地球上にあるすべての生き物は太陽、大地、水のおかげで生きています。私たちは地球に生かされているのです。
ラストの「もはや僕は人間じゃない」という節は、私たち人間は自然の一部であり、地球そのもの、という意味ではないでしょうか。
それこそが「生命力」そのものです。
なんと神秘的で力強い歌でしょう。
森山直太朗の美しいファルセットが美しい旋律を奏で美しい詩を歌い上げた……それが「生きとし生ける物へ」なのです。
森山直太朗には神秘の力が宿ってる!?
バラエティ番組やトーク番組で見る森山直太朗は、どこにでもいそうな普通の人っぽいのですが・・・。
ひとたび歌を歌うと一瞬にしてその場の空気が変わります。
まるで森山直太朗には「神の声」が宿っているかのよう。
「生きとし生ける物へ」のような歌を歌えるのは、森山直太朗だけなのかもしれません。
そんな風に意識してこの楽曲を聴いてみてください。
歌の世界に引き込まれたあなたもまた、自然と一体化するはずです。
無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!
今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね