髪を切ったのは君です。
まだ歌詞では登場していませんが、タイトルからして主人公が君に憧れていることが分かります。
そんな君が、まるで主人公のような髪型にイメチェンして登場しました。
どんな意味があるのでしょうか?
君は主人公に憧れているのかもしれません。
そして、主人公と同じように「自分らしさ」が見つからないのかもしれません。
とにかく今の自分では満足できない。
そう思って、憧れである主人公をそのまま見た目ごと真似したのでしょう。
例えるなら、好きなモデルやアーティストの髪形を美容院でオーダーするような心理ですね。
そのモデルやアーティストに憧れているからこそ、オーダーしたくなります。
そして、オーダーする背景には「この人たちのように変わりたい」という変身願望が隠れています。
どんな声が邪魔してる?
僕は君になりたいのに
君は僕になりたいのにさ
誰かの声が邪魔をして
素直になれないよ
出典: 僕は君になりたい/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
お互いにお互いを「羨ましい」と感じている。
さらには、相手のようになりたいと望んでいる。
不思議な状態ですね。
前述したように「羨ましい」という感覚の背景には欠落感があります。
でも、お互いに惹かれ合うだけの魅力を持っているのです。
この気持ちは一体何なのでしょうか?
そして、第三者に言われた言葉…。
「自分らしく生きなさい」と言われたのでしょうか?
ここでも「急かされること」への抵抗が歌われているのだと思います。
景色が違って見えるのは…
雨に打たれた放課後や
並木道の帰り道とか
同じ景色なはずなのに
僕らには違って見えるのかな
出典: 僕は君になりたい/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
何気ない学校生活の一場面。
これがどうして違って見えるのでしょうか?
2つの意味合いが考えられます。
1つ目は「自分たちの価値観が周囲と違う」という意味。
他の人と同じ景色を見ているはずなのに、この2人には違う価値観で映っているのです。
仲間外れになった者同士、親近感が湧いているのでしょう。
そもそも味わっていた欠落感は、周囲に馴染めないことが原因だったのかもしれません。
2つ目は「君と過ごすと同じ景色も違って見える」という意味。
高揚感を表しているという解釈です。
この場合、君といる時間の楽しさや恋愛感情といった要素が考えられるでしょう。
筆者は両方の意味合いがあると思います。
主人公にとって君と過ごす日々は、心の拠り所であり、幸せを感じる瞬間なのでしょう。
「憧れ」が変化する
触れたくなる心情
君がうらやましいよ
僕にないもの持っているから
手を伸ばせば届くのかな
背伸びをしたくなる
出典: 僕は君になりたい/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
これは本当に「羨ましい」だけでしょうか?
憧れの存在に触れようとする…。
恋愛感情の表れなのだと思います。
「背伸び」とは、自分を良く見せようとする行為のこと。
つまり「君に良く見られたい」という心情が読み取れます。
心を締め付けるルール
逃げることできないルールが
じわじわ体を重くさせる
いつ、どこ、誰 決めたのかな
好きな風にしたいのに
出典: 僕は君になりたい/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
先ほど大人になることを躊躇していましたね。
社会や周囲に押し付けられたルール。
これが主人公の心を締め付けています。
ルールに合わない自分は、価値が認められない。
これも欠落感の原因なのだと思います。
でも本当は、今の自分すら認めて生きていきたいと思っているのでしょう。
君にどう寄り添いたい?
君の手をとり 街に出るよ
誰も触れないように
大丈夫さ 不安でも
同じ空気を吸ってやる
出典: 僕は君になりたい/作詞:田淵智也 作曲:田淵智也
ここで君との物語が進展します。
街にデートに出かけるのでしょうか?
似た者同士の君に共感しているのだと思います。
一人じゃない。
僕がいるから不安もいつかなくなるさ。
そんな気持ちで寄り添っているのではないでしょうか?