クリスマスの名曲「クリスマス・イブ」
実は地味な曲として扱われていた？！
山下達郎さんの「クリスマス・イブ」は1983年12月14日に12作目のシングルとして発売されました。
当初はシングルにするには地味と評されアルバム収録のみの扱いでしたが、せっかく作られたクリスマス・ソングということで、ムーン・レコード社長の提案により3万枚限定でシングルカットされたという逸話があります。
シングルカットされて以降は、1986年～1990年まで、カラー・ビニールやピクチャー・レーベルなど盤面の趣向を変えて毎年末に発売され続けました。
その後も、1992年、2000年、2003年、2013年、2014年とレーベル・デザインや内容に工夫を凝らして再発売されています。
ちなみに2014年発売のものは、竹内まりやさんとのメドレーを追加した特別仕様の豪華版となっています。
「クリスマス・イブ」の歌詞に迫る！
クリスマス・イブに待ちわびた男性の悲恋
雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう
Silent night. Holly night
きっと君は来ない
一人きりのクリスマス・イブ
Silent night. Holly night
出典: https://twitter.com/natsumeroiine/status/920199897835479040
心深く 秘めた想い
叶えられそうもない
必ず今夜なら
言えそうな気がした
silent night, holynight
まだ消え残る 君への想い
夜へと降り続く
出典: https://twitter.com/snowdance_11/status/812632950005112833
歌詞を読み解いていくと、この歌の主人公は男性であることが分かります。
”きっと君は来ない 一人きりのクリスマス・イブ”
ということで、女性を待ちわびている情景が浮かびます。
さらに続く歌詞を見ると、クリスマス・イブという日に勇気をもらい、意を決して彼女に何かを伝えようとしていたことが分かりますね。
伝えたい言葉として考えられるのは、プロポーズ？それとも、もう一度やり直そう？
気持ちは高まる。
でも、待てども待てども彼女はやって来ない。
言い出せない想いを雪になぞらえ、
”まだ消え残る 君への想い 夜へと降り続く”
と続きます。
…切ない！
JRの東海のCMをきっかけにブーム到来
CMのテーマは”遠距離恋愛”
切ない悲恋の歌ということが読み解けた山下達郎さんの「クリスマスイブ」。この歌と切っても切れないのがJR東海のCMです。
「クリスマス・イブ」は季節限定商品として販売されていましたが、このJR東海のCMをきっかけに歌の知名度が急上昇したとされています。
JR東海は、東海道新幹線を主軸に遠距離恋愛を題材にした『シンデレラ・エクスプレス』CMを制作します。
これがいわゆる「エクスプレス」CMシリーズの発端に。シリーズは1987年～1992年まで続きます。
記念すべき第一弾のヒロインは深津絵里！
初々しい深津絵里さんの表情にドキッとする「ホームタウン・エクスプレス X'mas編」（1988年）。
記念すべきシリーズ第一弾CMです。
新幹線から降りてくるはずの彼が現れず彼女は強がりつつも涙ぐむ。
その時、人混みが途切れ静かになった駅ホームの柱の陰から彼がムーンウォークをしながら現れ、二人仲良くじゃれ合う。
会えて良かった～と、最後はホッとするCMです。
深津絵里さんは当時15歳。当日は高熱におかされながらも撮影に挑んだそうですよ。
そのせいで化粧が少し厚めになっているとの撮影秘話があるようです。
CM JR東海 X'mas Express 深津絵里 1988年
「Xmas Express」として
シリーズ第二弾には牧瀬里穂が登場
シリーズとしては第二弾ですが、深津絵里さんの「ホームタウン・エクスプレス X'mas編」から改定され、「クリスマス・エクスプレス」として制作されるようになった第一弾CM。
1989年放映の「X'mas EXPRESS'89」のヒロインには当時17歳だった牧瀬里穂さんを起用しています。
設定は、クリスマス・イブに帰省してくる彼を駅ホームに迎えにいく彼女というもの。
息を切らして走る健気さと、彼を見つけた時の弾ける笑顔が印象的ですね。
こちらのCMの60秒バージョンが、ACC CMフェスティバル（現：ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS）のグランプリを獲得しています。
ACCとは、All Japan Radio & Television Commercial Confederationの略称で、全日本シーエム放送連盟のことを指しています。
