あなたの指定席、変わってないかな
前みたいに外を ながめているかな
出典: 大切にするよ/作詞:柴咲 コウ 作曲:市川 淳
ここにはあの頃から変わらない「あなた」を想像している主人公がいます。
1行目の「指定席」は恐らく、行きつけのカフェなどでの「あなた」がよく座る席を意味しているのではないでしょうか。
2行目の歌詞から分かるように、それは窓際の席。
その席に座って外を眺める様子を主人公はよく隣で見つめていたのでしょう。
2人の思い出が感じられる歌詞です。
この歌詞パートからは主人公の、「あなた」のそんな部分は変わらないでいて欲しいという願望が感じられます。
離れてしまっても、あの時惹かれた「あなた」の心根はそのままであって欲しいと思っているのでしょう。
見えない想い
あの頃からずっと
たまにしかってくれた たまに笑わせてくれた
離れても遠くから 心の瞳(め)で見てくれてた 今も…
出典: 大切にするよ/作詞:柴咲 コウ 作曲:市川 淳
ここでは主人公が2人で過ごした時間のことを振り返っているのでしょう。
1行目では、彼が自分にしてくれたことを表しています。
そして2行目で表されているのは彼があの頃から変わらず、今も自分のことを気にかけてくれていること。
これはもしかしたら、主人公がそう思っているだけなのかもしれません。
それでも彼はそれだけ、主人公のことをしっかりと想っていたのであろうということが分かります。
2人の間に存在していた深い絆が窺える表現です。
頑張れる理由
あなたがそこに生きてるだけで
それだけで 私も生きられる
いつか私も1人で立てるようになるかな
出典: 大切にするよ/作詞:柴咲 コウ 作曲:市川 淳
以前のように近しい存在ではなくなっても、2人の間には絆が存在しているのでしょう。
「あなた」がどこかで元気に生きていてくれている。
そのことが主人公にとって原動力の1つとなっているのでしょう。
そして3行目の歌詞から伝わってくるのは、主人公が彼のどんなところに惹かれていたかということです。
主人公は彼が1人で生きていける強さを持っているところに惹かれていたのではないでしょうか。
だからこそ、主人公もそんな自立した女性になりたいと願っているのでしょう。
この歌詞パートまでしっかりと読んでいくことで、その別れは2人にとって前向きなものであったということが分かります。
想いは続いていく
心で繋がっている
誰もがいつしか時間の旅終えて
次の場所へ歩く
そして気づいてゆく
見えない繋がれた手に
出典: 大切にするよ/作詞:柴咲 コウ 作曲:市川 淳
ここでは自分たちに訪れる未来について言及しています。
このパートの1、2行目で表されている「旅」は具体的に何のことを表しているのでしょうか。
これは恐らく、私たちが一生を終えて新たな生を受けることを表しているのでしょう。
主人公の死生観が垣間見える歌詞表現となっています。
3行目以降では、もし死んでしまっても想いや絆というものはそれを超えて繋がっていくのだと伝えたいのでしょう。
私たちの存在が消えて無くなっても想いは繋がっていくから、この別れも悲しくはない。
主人公はそう考えているのではないでしょうか。
愛する人へ
いつかはあなたも言葉じゃなくて
愛する人に愛伝える
そんなときにも どこかで手を合わせ祈ってる
出典: 大切にするよ/作詞:柴咲 コウ 作曲:市川 淳
この楽曲最後の歌詞パートでは、主人公が「あなた」の未来を想像しています。
主人公は「あなた」が新たな恋人を見つけ、その人のことを心から愛する様子を想像しています。
そしてその愛情は言葉がいらないほどに深いものであるといっています。
これは自分に向けてくれた愛情よりも更に特別な愛情を意味しているのではないでしょうか。
そしてそんな新たな愛を知るであろう彼の幸せを、主人公は願い続けるであろうことが分かります。
彼女にとって、それだけ彼がもたらしてくれたものが大きいということでしょうか。
別れてしまった後も存在している深い絆を信じているからこそ、そうして新たな恋路も応援できるのかもしれません。
ここでいう「祈り」には、その人が幸せであって欲しいという願いが込められているのでしょう。
「大切にするよ」という楽曲タイトルからも分かる通り、主人公は彼との思い出を大切にしていることが分かります。
全編を通して、主人公の「あなた」に対しての深い愛情が感じられる歌詞です。