くるり

京都で結成され、フォーキーな楽曲からエレクトリックなサウンド、クラッシック、民謡までアルバムごとに様々なバンドサウンドを展開してきたくるり ボーカルの岸田繁は京都清華大学の客員教授にも就任するなど知性派です。

20周年を機に発表された「琥珀色の街、上海蟹の朝」は、岸田が封印してきたシティポップ/ブラックミュージックの影響を解き放ち大胆にラップも取り入れながら、くるりらしさを失わない曲に仕上がっています。

『琥珀色の街、上海蟹の朝/くるり』が衝撃的すぎると話題!!歌詞に隠されたメッセージを徹底解釈♪の画像

岸田が封印してきたシティポップ、ブラックミュージックぽさとは?

90年代ぐらいまでは田舎/都会という文脈で都会的で洗練された言葉の意味が抽象化されたおしゃれな音楽がシティポップとして広まっていました。 そういった音楽はまだ見ぬ都会的な生活に憧れさせる、一種の魔力を持っていたと思います。 メディアが喧伝するイメージとあわせて、地方に住む人々にとっては都会的な生活が夢のように響いていたのでしょう。

そういった音楽はブラックミュージックの影響を大きく受けていました。 くるり自体は反フォークソング的な音楽ではなく、土着的なフォーキーさを残しつつ、新しいサウンドを構築してきたとも言えると思います。

しかし20周年を機に岸田は封印してきたシティポップ/ブラックミュージック的なサウンドを解禁します。

「琥珀色の街、上海蟹の朝」をcheck!

アニメーションによって描かれたMVはポップ感満載。どこかファンタジックで不思議な印象を与えます。

インタビューで岸田はもう東京という街に人々が抱く幻想は弱くなっているという意味のことを話しています。

80年代の栄華を遠くはなれ、シティポップという文脈はタウン的なものになりつつあるのではないかというのです。

では、この曲に岸田はどんなメッセージをこめているのでしょうか? 

歌詞を紐解きます。

『琥珀色の街、上海蟹の朝/くるり』が衝撃的すぎると話題!!歌詞に隠されたメッセージを徹底解釈♪の画像

「琥珀色の街、上海蟹の朝」の歌詞を紐解く

beautiful city さよならさ マンダリンの楼上
isn’t it a pity beautiful city

出典: https://www.mangalyrics.com/くるり-琥珀色の街、上海蟹の朝-歌詞.html

まず冒頭で美しい街に別れを告げている岸田がいます。

そしてそれは残念なことじゃないと言っています。

目を閉じれば そこかしこに広がる
無音の世界 不穏な未来
耳鳴り 時計の秒針止めて

出典: https://www.mangalyrics.com/くるり-琥珀色の街、上海蟹の朝-歌詞.html

心の中には無音の世界が広がっていて、その音のなさは未来の不穏さと繋がっています。

そして音ではなく、耳鳴りのようなノイズが聴えています。

かつて輝いてきた未来に対して、崩壊が世界を覆っているのでしょうか?

だから時計の針をとめてと歌われているように思います。

吸うも吐くも自由 それだけで有り難い
実を言うと この街の奴らは義理堅い
ただガタイの良さには 騙されるんじゃない
お前と一緒で皆弱っている

出典: https://www.mangalyrics.com/くるり-琥珀色の街、上海蟹の朝-歌詞.html

そして都市に住む人々も弱っているんだと歌っています。

これはかつて輝いていた都会のイメージとは違って、様々な社会問題が露呈した現代を歌っているのだと思います。

その理由は 人それぞれ
耐え抜くためには仰け反れ
この街はとうに終わりが見えるけど
俺は君の味方だ

出典: https://www.mangalyrics.com/くるり-琥珀色の街、上海蟹の朝-歌詞.html

ここで歌われる終わりがみえる"街"はどういったものをさすのでしょうか?

この歌は直接的には上海蟹というキーワードが出てくることから、上海だと考えられるかもしれません。

しかしおそらくはそうではないのです。

大きく時代が変容しているなかで、ここではかつてあった都市イメージが失われ、ノスタルジーが歌われているのだと思います。

何はともあれ この街を去った
未来ではなく 過去を漁った
明後日ばっかり見てた君
それはそれで 誰よりも輝いてた

出典: https://www.mangalyrics.com/くるり-琥珀色の街、上海蟹の朝-歌詞.html

街を去った僕。未来ではなく過去に思いをめぐらせていたのでしょう。

それに対して、明後日ばかりをみていた君。

この君とは誰でしょうか?

そしてその君は輝いていたと言います。