朝ドラ史上初!
その圧倒的な個性と明確なメッセージ性を前面に出したスタイルで走り続けるDREAMS COME TRUE。
いまやその長きに亘る人気と活躍はJ-POP史を語るうえで欠かせないものにまでなっています。
彼らは多くのメディア作品に楽曲を提供しているのもよく知られているところです。
今回取り上げるのは、彼らが主題歌を担当した連続テレビ小説「まんぷく」から「あなたとトゥラッタッタ」。
1992年の連続テレビ小説「ひらり」の主題歌「晴れたらいいね」をご記憶の方も多いのではないでしょうか。
実は、朝ドラの主題歌に同一アーティストが起用されるのは史上初。
ドリカムが多くの人々の支持を集めていることが良く分かる快挙と言えるでしょう。
あえて、彼らの人気について語る必要もありませんが、一つの印象的なエピソードだと思います。
連続テレビ小説『まんぷく』
20世紀を代表する発明家
このドラマは、ある発明家の実話が基になっています。
その発明家の名前は「安藤百福」。
彼は世界で初めてインスタントラーメンを発明した人物として知られています。
現代ではその便利さゆえに生活の一部にさえなっているインスタントラーメン。
この発明は世界中の人々を驚かせ、生活にも変化をもたらしました。
安藤百福が発明したのは、みなさんもよくご存じの「チキンラーメン」。
世界初にして超ロングセラー商品を生み出した、この偉大な発明家・安藤百福にはもう一つの顔があります。
日清食品創業者・安藤百福
世界初のインスタントラーメンは1958年に日清食品から発売されました。
なんと、この日清食品(旧:中交総社)を創業したのも安藤百福なんです。
発明家としてだけでなく実業家としても大きな成功を収めました。
そんな彼ですが、チキンラーメンの開発には非常に多くの失敗があったそうです。
それがこのドラマのモチーフになっています。
妻・仁子
しかし、このドラマの主人公は安藤百福ではありません。
主人公となるのは、その妻・仁子です。
発明家の妻というのが決して楽ではないというのは想像に難くないでしょう。
ありとあらゆる困難と葛藤が目に浮かびます。
そんな仁子がどのようにして夫である安藤百福を支え続けたのか。
彼女の心に秘められたる想い。
それでは、仁子の想いを見事に歌い上げた主題歌「あなたとトゥラッタッタ」の歌詞をみていきましょう。
夫への理解
夫とともに
丸まってる背中に もらい泣き
恥じだって一緒に あなたとならトゥラッタッタ♪
出典: あなたとトゥラッタッタ/作詞:吉田美和 作曲:吉田美和・中村正人
この歌詞には、夫への感情移入だけではなく妻への共感が表れています。
妻・仁子の一人称視点という形式でありながら、夫と妻の両方の感情を描き切る巧みさ。
それは共感を呼び込み楽曲の世界に没入しやすいように楽曲に仕掛けられたトリック。
曲の冒頭からそれをやってのけるのは、さすがドリカムといったところ。
落胆する夫に寄り添い、失敗も嘲笑も一緒に味わい尽くす妻の姿。
それをたった一つのフレーズで表現できるのは本当に素晴らしいと思います。