美空ひばり(みそら ひばり)とは

1937年5月29日生まれ、横浜市出身。昭和24年、12歳のときに「河童ブギウギ」でレコードデビューした、まさに天才少女歌手です。昭和の歌謡界を代表する存在であり、歌謡界の女王。女性として初の国民栄誉賞を受賞したのも頷けます。本名は加藤和江(かとうかずえ)といいます。

昭和を彩った数々の名曲

美空ひばりのヒット曲は枚挙にいとまがなく、デビュー以来1500以上の録音を行い、数々の名曲を残しました。「悲しき口笛」「東京キッド」「リンゴ追分」「港町十三番地」「柔」「悲しい酒」「おまえに惚れた」「みだれ髪」「川の流れのように」など、タイトルは知らなくともどこかで耳にしたことがあるかもしれません。

残念ながら平成元年の6月24日に52歳という若さで亡くなりましたが、その楽曲は現代に受け継がれています。

生誕80周年を記念し豪華アーティストが集結

そんな美空ひばりの生誕80周年を記念したコンサートが、2017年4月5日、東京ドームにて行われました。

敗戦の傷跡が残る日本で、日本を励まし続けた不世出の大スター。その歌の力にあやかり、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、そのふたつの被災者を支援する目的で、「美空ひばり生誕80周年記念だいじょうぶよ、日本!ふたたび熊本地震・東日本大震災復興支援 チャリティーコンサート」として開催されました。

日本を代表するアーティスト22組が出演

美空ひばりのコンサートといっても、参加したのは今をときめく豪華アーティストです。その参加者と楽曲をいくつか50音順で紹介していきましょう。

1. E-girls(港町十三番地)

美空ひばり生誕80周年記念コンサートが開催!東京ドームで行われた不死鳥コンサート2017をレポート!の画像

トップバッターはEXILEのDNAを受け継いだ、本格的ダンス・パフォーマンス・グループ、E-girls。曲は「港町十三番地」です。1957年3月10日にSPレコードで発売された美空ひばりのシングル。港町とは、美空ひばりが所属していたレコード会社日本コロムビアの本社があった川崎市川崎区港町からとられているそうです。

十三番地は架空の地名ということで、語呂の良さからこのタイトルが付けられました。歌詞の中にある「銀杏並木の敷石道」とは山下公園、そして「マドロス酒場」は馬車道(横浜市中区)あたりの酒場がイメージされているそうです。この曲を聴きながら横浜の街を散歩してみるのもいいですね。

2. 五木ひろし(みだれ髪)

2曲目は美空ひばりとともに歌謡界を代表するスター、五木ひろしが歌いました。曲は1987年12月10日に発売された「乱れ髪」です。福島県いわき市に建つ塩屋埼灯台を舞台としており、ここには美空ひばりの記念碑も建っているそうです。

この歌詞の中で、「春は二重に巻いた帯 三重に巻いても余る秋」というくだりがあり、それは通常二重で巻く帯が、春には二重だったものが、秋には三重になりました、つまり「すごく痩せました」、という意味だそうです。当時、病み上がりだった美空ひばりはこの歌詞にすごくひかれていたそうです。

美空ひばり生誕80周年記念コンサートが開催!東京ドームで行われた不死鳥コンサート2017をレポート!の画像

3. AKB48メドレー(悲しき口笛→越後獅子の唄 →あの丘越えて)

3曲目はAKB48による3曲のメドレー、「悲しき口笛」「越後獅子の唄」「あの丘越えて」です。「悲しき口笛」1949年9月10日に発売されたシングルで、当時12歳で初主演を務めた映画『悲しき口笛』の主題歌

「越後獅子の唄」は1951年公開の松竹映画「とんぼ返り道中」の主題歌で、「あの丘越えて」も同年公開の松竹同名映画主題歌でした。こうしてみると、美空ひばりも現代のアーティストと同じようにマルチタレントとして活躍、タイアップも多用していたようです。

美空ひばり生誕80周年記念コンサートが開催!東京ドームで行われた不死鳥コンサート2017をレポート!の画像

4. EXILE SHOKICHI 「終りなき旅」