【おばけでいいからはやくきて】とは?
「みんなのうた」で放送
そんな彼らのとある楽曲が、2018年冬にNHKのみんなのうたで放送されました。
タイトルは【おばけでいいからはやくきて】…?!
みんなのうたを見る子どもたちには少々恐怖感を与えそうなタイトルですね。
しかし歌詞のストーリーを理解すると、タイトルの意味も自然と明らかになるのです。
主人公は尾崎世界観自身?!
主人公は母親とはぐれて迷子になってしまった子ども。
母親を必死に探す中で様々なことを学んでいきます。
なんとこの歌詞は尾崎世界観さんの実体験が元になっているそう。
多くの子どもが1度は経験する迷子をテーマに、子どもならではの不安を綴りました。
それと同時に主人公が、自分を守ってくれる大人の偉大さに気がついていく物語でもあるのです。
それでは早速、歌詞の世界に迫っていきましょう。
怖いはずのおばけにさえ「はやくきて!」と呼び掛けてしまう、そんな主人公の心模様にもご注目ください。
歌詞を解説!
まだ焦らないで…
迷子になってわかりました あなたのその偉大さを
当たり前につないでた手の温もりを
いい子になんてなれなかった そんな自分の愚かさに
いまになって気づいた馬鹿です
出典: おばけでいいからはやくきて/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観
冒頭からすでに、主人公は迷子になっています。
迷子になった子どもの心情と、それを語る淡々とした口調のギャップが面白いですね。
迷子になった子どもがませているだけかもしれませんが、この口調には別の意味も。
きっと迷子になって焦る気持ちを隠そうとしているのでしょう。
突然起こったハプニングに対し、子どもながら冷静に対処しようとしている様子が目に浮かびます。
「自分は強い子だ」なんて言い聞かせながらギュッと唇を噛みしめ、泣くまいと頑張っているのでしょうか。
近くの通路をふらふら彷徨いながら、いなくなってしまった母親の姿を探します。
迷子になって気がついたこと
歌詞の内容に注目してみると、迷子の主人公はこの経験からすでに多くのことを感じ取っているとわかります。
一言でまとめてしまえば「母親という存在の大きさ」でしょう。
広い店内を見て回る間、母親は子どもがはぐれないようにとしっかり手をつなぎます。
しかし時に子どもの好奇心は、その手の存在を煩わしいと感じさせてしまうもの。
主人公もきっとそうだったのでしょう。
1人でお店を見て回ることで、大人の仲間入りをしてみたかったのかもしれません。
ただ結果的にその判断が迷子の原因を作りました。繋いでいるときは鬱陶しかったその手が恋しくて仕方ないのです。
これはきっと、どんなに大人になっても変わらない親子の関係性でしょう。
1度離れてみれば、鬱陶しかった親のありがたみに気がつくものです。
主人公は幼い子どものうちから、こんな大切な人生の教訓を学んだのですね。
迷子の理由は?
悪いのは自分自身
では主人公はいったいどのような理由で迷子になってしまったのでしょうか。
先ほどの歌詞ではこのように触れられています。
いい子になんてなれなかった そんな自分の愚かさに
出典: おばけでいいからはやくきて/作詞:尾崎世界観 作曲:尾崎世界観