家入レオ『Silly』に込められた想いが深い。ドラマの世界観とぴったりだと話題の歌詞を徹底解剖！

「求め 確かめ」たいのは、相手に愛されているという確信でしょう。自分が相手との関係にすがっているからこそ、お互いに愛があると信じたくて仕方なくなってしまいます。

たとえ真っ直ぐな関係でなくても、報われない未来が見えていても、そんな現実を騙してでも今を生きるための希望が欲しいのでしょう。

逃れられない哀しみよりも今は嘘の救いが欲しい、そんな主人公の気持ちが叫ばれます。

報われない関係に身を任せて自分を騙していても、何も前進はありません。いつかはそんな甘い時間も終わって、その後にはすがっていた拠りどころを失った自分が残るだけです。

だからこそ、本当は早く「大人に」ならなくてはなりません。しかし、そう分かっていながらも主人公は今そこにある一時の救いを求めてしまいます。

愛だけにすがって、それだけあればいいのに、と叶わない願いを想像する主人公は、逃れられない痛みをかかえて生きています。

唯一の救いである愛を失ってしまう未来なんて、主人公にとっては「意味の無い 何も無い」ものなのでしょう。

心の中にあるのは「あなたが欲しい」という気持ちだけで、たとえそれが歪んだ想いだとしても、どんなにばかげた(Silly)ものだとしても、一度かかえてしまった愛は呪いのように彼女を縛ります。

報われない愛に何度も傷つきながら、相手と愛し合った結果として残る傷あとすら愛しく感じられるようになっていきながら、まやかしの関係はまだ続きます。

嘘であっても救いを求めてしまう人間の愚かさ、儚さを歌う「Silly」。家入レオの10代最後の曲は、大人の悲恋を描くバラードとなりました。

ドラマの切ない世界観ともぴったりとはまって、それぞれがより魅力を引き立てあうようなタイアップとなっています。

家入レオの作品の中でも屈指の名曲を、是非一度聴いてみてください。