うだるような暑さも 五月蝿い蝉も消えた
日が暮れるのも 早くなったな
目を細める
踏切の音
電車が風を集めた
通り過ぎていく
これからの事も
出典: 夏の暮れに/作詞:もっさ 作曲:もっさ
二つ目の注目楽曲は、「夏の暮れに」です。
ネクライトーキーの楽曲のほとんどがGt.朝日によって書かれています。
今回はVo.もっさの作詞力と作曲力が発揮された1曲ということでピックアップしました。
彼女は他にも「明日にだって」「ゆうな」の作詞・作曲を手掛けています。
上手くいかないことばかりでマイナス思考になる主人公。
何気ない夕暮れ時、夏の終わりを知った主人公は、時の流れを感じます。
そして彼女は、毎日を少しずつ進んで行こうと歩み始めるのです。
非常にシンプルな歌詞ですが、とても胸を打つ内容です。
楽曲も非常にストレートで分かりやすく、聴きやすいかと思います。
朝日の作る詞や曲とはまた違った魅力がありますね。
これからもっさの作る曲もますます増えてくるかもしれません。
スタンダードなロックナンバー
ストレートに刺さるロック曲たち
ストレートなロック楽曲も、もちろん収録されています。
2曲目「放課後の記憶」は切ない歌詞のアップテンポナンバー。
少し石風呂(朝日のボカロP名義)っぽい雰囲気がある楽曲です。
7曲目「虫がいる」はアップテンポの疾走ロック。
知らない内に虫を踏みつけてしまったというやり場のない怒りを歌う歌詞です。
虫が苦手な人は「うわっ」となってしまうかもしれませんが、面白い内容ですよ。
そして11曲目、ラストナンバーの「朝焼けの中で」はミドルテンポで取りにピッタリな楽曲。
この曲に注目!その3
なんかわかりかねる
猫も踊る
大人になれたら
お金を何に使うの?
ちょっとわかりかねる
秋も暮れる
窓を開けたら外から響く
子どもが何回も笑う声を聞いてた
出典: 放課後の記憶/作詞:朝日 作曲:朝日
今回ピックアップしたのは「放課後の記憶」です。
かなりストレートなロック楽曲で、石風呂としての朝日が片鱗を見せる楽曲です。
Vo.もっさの伸びのある高音が非常に気持ちいいですね。
また、深めにディレイの掛かったギターやキーボードも、ネクライトーキーとしては新鮮です。
「なんかわかりかねる」というサビのフレーズが印象的ですね。
子どもの頃には分からないことがたくさんあって、大人になったら分かると思っていました。
大人になって改めて考えてみると、未だに分からないことだらけだったりします。
子どもの頃の自分を回想しているはずなのに、いつの間にか大人の自分が子供を見ている。
そんな不思議なストーリーのある歌詞が胸を締め付ける一曲です。
ぜひ情景を思い浮かべながら聴いてみてください。
変幻自在のトリッキーな楽曲
多才なメンバーが生み出す多彩な楽曲
「許せ!服部」のような一風変わった曲を楽しみにしているファンも多いでしょう。
本アルバムにも、そんな楽曲が収録されています。
8曲目「ぽんぽこ節」と10曲目「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」です。
「ぽんぽこ節」はプログレッシブな楽曲に難解な歌詞が乗っかる奇怪な楽曲です。
ころころと変わる曲調と曲調は「Bohemian Rhapsody」を彷彿とさせます。
「渋谷ハチ公口前もふもふ動物大行進」は打ち込みを使用した楽曲。
ネクライトーキーの中ではかなり異色なのではないでしょうか。
分厚いコーラスとヘヴィなギター、テクニカルなギターソロも入っています。
歌詞は渋谷周辺をうろつく人間たちを動物に例えたもので、言葉遊びが面白い内容です。
「え?こんな曲やるの?」と初めは戸惑うでしょう。
しかし、本楽曲も非常に中毒性が高く、繰り返し聞くうちにハマってしまうかもしれません。
この曲に注目!その4
泣けるぜぽんぽこ
それもまたぽんぽこ
夏が終わる前に歌えたらなあ
届かない手紙だけ抱えては動けずに
戻らない写真だけ眺めていた
夜だった
ぽんぽこ節の「なんたるか」
教えたろかニンゲンドモ
出典: ぽんぽこ節/作詞:朝日 作曲:朝日
「ぽんぽこ節」って何だよ……初めてMVのサムネを見た人は思ったかもしれません。
信楽焼のふてぶてしい顔に咥えタバコ、もう素敵な予感しかしません。
Vo.もっさの掛け声からイントロが始まれば、もうそこはネクライトーキーの世界。
ファンキーなギターから始まるイントロは縦ノリ必須です。
しかしAメロに入った途端、ホンワカしたシャッフルの曲調になります。
肩透かしを食らったような感じですが、奇々怪々な歌詞がさらにリスナーを振り回します。
これは恐らく所謂「リア充」たちの中に交ざる事の出来ない主人公の話ですね。
主人公はそんな自分を人間に化けて生活する狸、リア充を「人間」だと言っているわけです。
サビではリズムはそのままに、一気に音が分厚くなって盛り上がりを見せます。
サビの歌詞はメロとは違い、ちょっと切ない感じの歌詞ですね。
次の「ぽんぽこ節のなんたるか」からは16ビートの曲調。
そして再びイントロのファンキーなフレーズへと戻ります。
目まぐるしく曲調が変わる演奏をこなすのは、実は非常に難しいことです。
ネクライトーキーのメンバー全員が確かな技術を持っている証でもある本楽曲。
奇怪なようで凄く切ない歌詞とともに、彼らの演奏も思う存分楽しんでください。