忘れることなどできないから

あなたの好きだった冬の上で
いつかしたケンカを思い出してる
春になればまたきっと
花は咲くんだけど
もう何も何も
出来ないままで
誰も誰も
悲しいままで

出典: 思い出せなくなるその日まで/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

「あなた」が好きだった冬を迎えて、主人公はふと喧嘩したことを思い出します。

また春がくれば花は必ず咲くに違いないけれど、あなたはもういないから自分は二度といつかと同じ春を迎えることはできないんだ、という静かな嘆きが聞こえます。

あなたがいないこの世界ではただただ悲しみにくれる日が続くだけだ、と深い絶望と無気力で投げやりにも似た心情が伝わってきます。

たとえばあなたといた日々を
記憶のすべてを消し去る事ができたとして
もうそれは私ではないと思う
悲しみひとつも
分け合っていたのだから

私の半分はあなたで
そしてあなたの半分は
私でできていたのね
それならこんなに痛いのも
涙がでるのも
きっと私だけじゃないね

出典: 思い出せなくなるその日まで/作詞:清水依与吏 作曲:清水依与吏

幸せだけでなく悲しみも分かち合っていた二人。その相手を失って途方にくれる主人公の静かな嘆きがひしひしと伝わる歌詞ですね。

この歌では相手を責める言葉は見当たりませんから、時の流れが別れをもたらしたのかもしれないですし、いずれにしろ誰が悪いということではないのでしょう。

それだけに相手に対して怒りが湧くとかではなく、ぽっかりと空いた自分自身の胸の隙間をただ見つめ続けることしかできないのでしょう。

最後にはこの痛みや悲しみを感じているのは自分だけではないかもしれない、という思いに至ります。

だって自分も「あなた」にとっては大きな存在だったはずだから・・・そう思うことで少しだけ前を向くことができるのではないでしょうか。

最後に

この歌に出てくる二人がどういう状況で別れてしまったのかは分かりません。

とても受け止めきれない悲しい状況ではありますが、もしかすると二人に別離をもたらしたものは「死」であったとも考えられます。

また相手が恋人とは限りません。家族をはじめ、心から大切に思う人との別れかもしれませんし、色々な人たちの色々な情景を想像しながらこの曲を聴いてみると、また違ったふうに感じられることでしょう。

誰しもいつかは過ぎ去った日々を懐かしく思い出せる日が来るはず・・・そう信じたいですね。

だって本当に思い出せなくなってしまうのは、何だか寂しいような気もしますから。

 

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