クリエイト集団supercell
ryoと119(ひけし)を中心としてスタートしたsupercell
supercellの発端は、ほかのグループの様にバンド結成から始まったわけではありません。
もともとニコニコ動画で、コンポーザーのryoがオリジナル楽曲「メルト」の動画に119のイラストを使用していたことが始まりで、「メルト」を気に入った119と仲良くなりsupercellの活動をスタートさせました。
その後、119と仲のいい絵描きがsupercellに加入し、メジャーデビュー時にはトータル11人もの大所帯となっていました。
現在は119が脱退し、作詞・作曲・製作を担当するryoと、イラストレーターが5人、サポートメンバーが4人というチームとなっています。
明るいロックチューンで人気のあったryoが発表した「恋の戦争」「ワールドイズマイン」「ブラック★ロックシューター」などは、100万回以上の再生数を誇っおり、いまだに人気の楽曲ですね。
1stアルバム「supercell」にも収録されています。ちなみにこのアルバムのボーカルはすべてボーカロイドの初音ミクを使用していました。
1stシングルから2ndアルバムまでは、ニコニコ動画で「ガゼル」として人気の高かった歌い手nagi(やなぎなぎ)をゲストボーカルに迎えています。
今回ご紹介する「君の知らない物語」も、nagiがボーカルを担当しました。
supercell「君の知らない物語」
2009年8月12日にリリースされた1stシングル
supercellの楽曲が初音ミクではなく、生の声で表現されたのがこの「君の知らない世界」です。
オリコン週間ランキングでは5位、2009年8月度月間では13位を獲得しました。オリコンでは66回登場し、1年以上にわたり200位以内をキープし続けたロングヒット曲ですね。
カップリングには、アニメ映画「CENCOROLL」の主題歌を担当した「LOVE&ROLL」を収録しています。
シングルのジャケットは、もちろんsupercellのメンバーである三輪士郎が描きました。
「君の知らない物語」は、ryoの得意とするストーリー性を含んだ歌詞が魅力。また、澄んだnagiの歌声が心にすっと入り込んで何度も聞き返したくなる楽曲ですよね。
2ndアルバム「Today Is A Beautiful Day」にも収録
「Today Is A Beautiful Day」は、2011年3月16日にリリースされたアルバムで、「君の知らない物語」は2曲目に収録されています。
全作詞・作曲・編曲をryoが担当し、nagiの生声&生バンド主体のサウンドで収録されました。
タイアップ曲も多く収録されており、テレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のエンディングテーマ「うたかた花火」や、PCゲーム「魔法使いの夜」エンディングテーマ「星が瞬くこんな夜に」なども収録されています。
自身の感情や記憶を一つ一つの物語として作り上げ、書きあげた曲たちもぜひ一緒に聴いてみてくださいね。
アニメ「化物語」の主題歌を担当
「君の知らない物語」は西尾維新によるファンタジー小説を原作にしたアニメ「化物語」の主題歌も担当しました。
化物語のあらすじは、21世紀の初めに、田舎に住んでいる高校生の男の子が「怪異」と呼ばれる現象にとり憑かれながらも、少女たちと共に事件を解決していくというもの。
とにかく膨大なセリフ量と斬新な映像で小説を表現しており、アラサー世代に爆発的な人気を博しました。
テレビアニメ史上最高の初動売上を記録した超人気アニメだったので、主題歌の「君の知らない物語」も多くの人の耳に届いたのではないでしょうか。
それでは、その歌詞に注目してみましょう。
「君の知らない物語」の歌詞を紐解く
アクティブな君に心惹かれるヒロイン
いつもどおりのある日の事
君は突然立ち上がり言った
「今夜星を見に行こう」
「たまには良いこと言うんだね」
なんてみんなして言って笑った
明かりもない道を
バカみたいにはしゃいで歩いた
抱え込んだ孤独や不安に
押しつぶされないように
出典: https://twitter.com/Jr1nA/status/890576956827119616
真っ暗な世界から見上げた
夜空は星が降るようで
いつからだろう 君の事を
追いかける私がいた
どうかお願い
驚かないで聞いてよ
私のこの想いを
出典: https://twitter.com/skb_bot_/status/912676157924851712
イントロがほとんどない状態でいきなり曲が始まります。nagiの柔らかくもストレートな声を聴いた瞬間にぐっと引き込まれてしまいますよね。
歌詞を見てみると、この曲は「君」のことを大好きな一人の女の子が主人公です。そして、その女の子が恋をする「君」は、いつもバカなことばかりをして皆の注目を集めるような男の子なのでしょう。
引っ込み思案な女の子が、自然とみんなの輪の中心にいる男の子に恋をするのはある意味必然かもしれません。
仲間でワイワイとはしゃぎながら歩いて帰っているというシーンを想像すると、主人公たちは学生で男女入り混じった仲良しグループだということがわかりますね。
ヒロインは、仲間なのに大好きになってしまったという罪悪感、そして「好きだ」という想いを口にしてしまうと友情が壊れてしまうんじゃないかという不安があるのでしょう。
いつも以上に明るくはしゃいで、好きだという想いをかき消そうとしているのが切ないですよね。