自分の男性観が屈折しているのに
マザコンだらけの世代を笑ってみたり

出典: デルモ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「男性観が屈折している」といっているので、主人公は変わった男性が好きなのかもしれませんね。

傍からみたら「え?そんな男性がいいの?」と思われるようなタイプが好みなのでしょう。

しかしその一方で、女性受けの悪いマザコンタイプの男性のことはあまり好きではない様子。

人の好みなんてさまざまです。

一般的には受けが悪い人でも、特定の人からは評判が良いことだってあります。

だから「○○なタイプの人間が一番優れている」なんて断言することはできないのです。

そのことに、この歌詞の主人公も気づいているようですね。

自由に恋愛する友達と、恋愛どころではない主人公

毎晩オサカンな無名時代の友と
長距離電話そんでもって彼女が云うには
こんな事聞いて誤解しないでよ
縛られるのって 結構気持ちいいかもしんないな

出典: デルモ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

先ほど紹介した歌詞の中で「心許せる人はなく」といっていた主人公。

そんな主人公の数少ない友達の一人が、この「無名時代の友」です。

本当に心から信頼し合っているかどうかは不明ですが、そこそこ仲は良いみたいですね。

わざわざ電話で恋バナをしているくらいですから。

「無名時代の友」は同じモデル仲間なのか、それとも全く関係のない職業なのかは分かりません。

ただ「毎晩オサカン」という言葉から、自由に恋愛をしていることが読み取れます。

そして、電話で「無名時代の友」が話してくる恋愛話はかなりマニアックな内容。

気の向くままに楽しく恋愛をしているようです。

一方、主人公は仕事を少しでも獲得し続けるために、多忙なスケジュールをこなす日々。

「振り向けば一人きり」ともいっていたので、多分彼氏もいないのでしょう。

というか、忙しすぎて彼氏をつくる暇さえないのだと思います。

幸せを感じられない主人公

あのね この間 ふと思ったの
“幸せ"ってつまり何なのよ
結婚であったり 恋が女の
全てじゃないにしても
心にポッカリ空いたまんまの
穴を何が埋めてくれるの
嬉しいよな 悲しいよな
時には涙 モデル

出典: デルモ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

「無名時代の友」と電話して、恋愛や結婚について少し考えるようになった主人公。

主人公は、モデルとして文句なしの人生を送ってきました。

しかし、仕事が順調で大金を手に入れたとしても、主人公の心は満たされません。

主人公はモデルができるくらい綺麗な容姿をしているので、間違いなくモテるでしょう。

恋人がいた時期だってあったかもしれません。

でも、異性からチヤホヤされてもやはり満足は得られなかったのです。

誰もが羨むような経験をたくさん重ねても、幸せは手に入れられない。

それを実感した主人公は「じゃあ何をすれば幸せになるのだろう」と頭を悩ませます。

ちなみに「涙 モデル」という言葉は「涙も出る」という言葉と引っ掛けているようですね。

さりげなく言葉遊びを取り入れているのも、この歌詞の特徴といえるでしょう。

主人公が幸せを感じられるものとは?

母の優しき面影を 追いかけて唄う
ふるさとの子守唄

出典: デルモ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

主人公は遠い昔のことを思い出します。

優しい母親。

小さい頃よく歌った「ふるさとの子守唄」。

きっと母親や子守唄は、主人公によってささやかな幸せを感じられるものなのでしょう。

ここの部分だけはメロディーも8分の6拍子に変化し、ゆったりした雰囲気を演出しています。

売れっ子になる前はモデルを夢見ていたけど…

デルモって言ったら“あっ!"ってみんなが
ものめずらし気に見ちゃって
10代の頃は そんな感じを
ひたすら夢見たけど
苦しいって言ったら 大げさかな
かいかぶられて いつだって
心開ける人はなく 気が付けば一人きり Oh Yeah

出典: デルモ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

売れっ子のモデルを目指して頑張っていた10代の頃は「仕事=幸せ」と思っていた主人公。

しかし、実際のところはそうでもないということが分かりました。

それどころか仕事のせいで制限されることも多く、寂しい人間関係の中で生きています。

苦しいとまではいかないけど、毎日エンジョイしているというわけでもなさそうですね。

周りは一応アドバイスしてくれるけど…

この間 また思ったの
“幸せ"ってつまり何なのよ
子供作っちゃえばってみんなが
軽いノリで言うけど
私にとっては深刻なの
満たされなくて いつだって
嬉しいよな 悲しいよな
ちょっぴり涙 モデル Oh Yeah

出典: デルモ/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

主人公は幸せについて再び考えます。

「先に子供作っちゃえば流れで結婚もできるし、家族もできるから幸せだよ」

周りの人はそうやって、幸せになる方法をアドバイスしてきます。

でも、どの人も軽いノリのアドバイスばかり。

真剣に悩んでいる主人公のことを心配して、親身になってくれる人はいないのです。

人生相談ができる相手すらいない主人公は、改めて孤独をかみしめます。

「おりも政夫」とは?なぜこの歌詞に登場するの?