別れの日は来た ラウスの村にも
君は出てゆく 峠をこえて
忘れちゃいやだよ 気まぐれカラスさん
私を泣かすな 白いかもめよ
白いかもめよ

出典: 知床旅情/作詞:森繁久彌 作曲:森繁久彌

3番の歌詞も、森繁さんの実体験に基づいて書かれた歌詞だと思います。

「別れの日」というのは、ロケが終了し「知床」から離れるとき、という意味でしょう。

また、ここに登場する「君」というのは2番の歌詞に登場した「ピリカ(美しい人)」だと思います。

いわば、実体験と想像、二つのストーリーが『知床旅情』には描かれているということです。

次に出てくる「カラス」と「かもめ」。

2種類の鳥が登場します。

「知床」から離れるとしたら海から「」で離れる以外にはありません。

海の周りには鳥がいます。

「かもめ」は海の近くに生息する鳥です。

海や船は、別れの象徴でもあります。

ということは、この鳥は「別れ」を象徴していますね。

そして、「カラス」。

『知床旅情』での「カラス」が象徴するのはユーモアです。

別れの悲しみを隠すために、主人公は「カラス」を引き合いにします。

また、「カモメ」は白色、「カラス」は黒色と、対照的に描かれています。

今までの思い出が胸によぎったのでしょう。

主人公は涙をこらえ、「知床」を後にします。

さまざまなカバー

藤圭子

『知床旅情』はさまざまなアーティストにカバーされています。

ここでは、加藤さん以外のカバーバージョンを紹介します。

一人目は宇多田ヒカルの母でもある藤圭子

加藤さんと同じように澄んだ声が魅力的ですね。

藤さんのバージョンは、コブシも効いています。

ただ、効き過ぎずあくまでアクセントにしているところが良いと思います。

夏川りみ&幸田浩子

二組目は夏川りみさんと幸田浩子さん。

夏川さんが歌うと民謡的な情緒が出ますね。

オペラ出身の幸田さんの歌唱もインパクトがあります。

加山雄三

三人目は「海の男」加山雄三さん。

アーバンな魅力があふれ出ています。

イントロのサックスが奏でるフレーズが、なんとも良い味を出していますね。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は『知床旅情』を解説しました。

俳優の森繁久彌さんが映画ロケで訪れた「知床半島」。

そこで感じた、北海道の雄大な自然。

そして、厳しい環境にも負けずに暮らしている現地の人々。

そういったものにインスピレーションを得て作ったのが『知床旅情』です。

加藤さんのカバーで再ヒットした『知床旅情』。

今ではさまざまなアーティストが『知床旅情』をカバーしています。

もはや『知床旅情』はスタンダート曲になったといっても、過言ではありませんね。

最後にOTOKAKE内から特定の土地に因んだ楽曲の記事を紹介します。

下にリンクを貼っておきますので、ぜひご覧ください!

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