歌詞和訳

あなたはここから去ろうとしているんだろ?

でも僕を残したままで

僕を残したままで

あなたは僕を一緒に行かせてくれない

その姿が、菩提樹の下の恋が

あなたの瞳を思い出させるんだ

 

空耳では「のまのまイェイ!」で有名なサビ。

しかし、本来の歌詞はなんだか切ないですね。

恋人はこれからどこか遠いところに行ってしまうのを予感させます。

そしてピカソとは別離してしまうのでしょう。

空耳で「イェイ!」と聞こえる「Iei」も感嘆詞で、特に意味はありません。

後半では唐突に菩提樹の木が登場しますが、これは「恋のマイアヒ」の大切なキーワードです。

これについては後で解説しましょう。

もう一度あなたに電話を

ピカソは再び愛する人に電話をかけます。

今度はどんなことを伝えるのでしょうか。

自分の気持ちを伝えたい

Te Sun, Sa-Ti Spun,
Ce Simt Acum

Alo, Iubirea Mea
Sunt Eu, Fericirea

Alo, Alo,
Sunt Iarasi Eu, Picasso

Ti-Am Dat Beep
Si Sunt Voinic
Dar Sa Stii, Nu-Ti Cer Nimic

出典: 恋のマイアヒ/作詞:DAN BALAN 作曲:DAN BALAN

歌詞和訳

あなたに電話するよ…

(僕の)今の気持ち(を伝えるために)

もしもし、元気かい?

僕だ、喜んでくれ

もしもし…もしもし…

また僕だ、ピカソだよ

(僕が)あなたに電話をかけたんだ

僕は打たれ強さには自信がある

でも、あなたにまで(そんな)打たれ強さは求めないよ

 

ピカソは再び想い人に電話をかけます。

ここでも愛を伝えに電話をかけた様子。

7行目の「Beep」は「ビープ音」のことで、電話の着信音をさします。

つまりこの文は、直訳すると「ビープ音を鳴らしたんだ」という意味です。

ピカソは電話を鳴らしただけで、恋人は電話をとっていないのかもしれません。

相手の声を聞きたくて電話を鳴らしますが、相手が電話をとる前に切ってしまったのでしょう。

ピカソは恋人の声を聞きたいから電話を鳴らす。

そして相手には「僕の声が聞きたいなら、そっちからかけてきて」ということなのではないでしょうか。

これだけだとなんだかピカソが偉そうに見えてしまいますが、そうではありません。

もう失恋するのが分かっているから、無理矢理電話で押しかけてまで話そうとはしないのです。

好きな人とこの先永遠に話さなくなるのは辛いこと。

失恋するとはいえ、ピカソにとっては好きという気持ちがまだありますからね。

それでもピカソは「自分は打たれ強いから、相手が電話をくれなくても平気」なのです。

逆に相手が電話してきて、あれこれ言ってきても平気なのでしょう。

ここでもピカソは、逆に相手に自分の気持ちを押し付けたくないのだと思われます。

「マイアヒ」ってどんな意味?

「恋のマイアヒ」というタイトルにもなっている「マイアヒ」とは、どんな意味があるのでしょうか。

「マイアヒ」は冒頭の歌詞にも登場しています。

そこでは「感嘆詞なので意味はない」と解説しましたが、それは文章の話。

含まれている単語には、きちんとした意味があるのです。

恋の季節

「マイアヒ」の「マイ(Ma-I)」は、ルーマニア語で「5月」を意味する単語。

「アヒ(Hi)」は本当に感嘆詞なので、日本語風にするなら「5月だ!」という感じです。

冒頭の「Ma-I-A Hu」「Ma-I-A Ho」「Ma-I-A Ha-Ha」も、「Ma-I」以外は全て感嘆詞となります。

しかし歌詞には、5月を思わせるような部分は他にありませんでした。

いったい何故5月なのでしょうか。

結論からすると、ルーマニアにとって5月とは「恋の季節」なのだそうです。

日本でも5月はすっかり暖かくなって、夏の気配を感じ始める季節。

ルーマニアでも、「暖かくなって恋が始まる季節」なのでしょう。

「恋のマイアヒ」には、こうした意味があるのですね。

「恋のマイアヒ」の本当の姿とは

【恋のマイアヒ(O-ZONE)】歌詞を和訳して独自考察!実はピカソの失恋ソングだった!って知ってた?の画像

日本では空耳の歌詞の方が有名になっている「恋のマイアヒ」。

メロディが明るいので、ポジティブな曲だと思っていた人もいたでしょう。

ですが実際はピカソの切ない失恋ソングでした。

悲しい内容の歌詞を、明るくてテンポの速い曲調で歌うのはブルースと通じるものがあります。

歌詞の意味も意外でしたが、元々のタイトルもちょっと意外です。

「恋のマイアヒ」の原題

日本では「恋のマイアヒ」というタイトルですが、もちろんルーマニアでのタイトルは全く違います。

本当のタイトルは「Dragonstea Din Tei」

こちらが原題です。

それにしてもこの言葉、見覚えがありませんか?

サビの歌詞に入っていましたね。

ですからこの原題を和訳すると「菩提樹の下の恋」

菩提樹は6月から7月に花を咲かせる中国原産の木です。

歌詞は、その前の月になる5月がキーワードでした。

恋の成就が花の開花で、5月はその前の段階

つまり「恋の始まり」なのかもしれません。

恋の季節、ピカソは菩提樹の下で新たな恋を見つけるのでしょう。

新たな恋は、もう失恋確定の以前の恋人の顔を思い出してしまう。

そう考えると、やっぱりちょっと切ない曲ですね。