あいみょんのストレートな恋愛ソング!
繊細で時にはセンセーショナルな刺さるリリックが印象的です。
デビュー曲の「貴方解剖純愛歌~死ね~」はあまりに過激な歌詞であるため各メディアで放送自粛となりました。
そんな彼女が手がけた映画「恋愛奇譚集」の主題歌「漂白」もまた、独特の世界観で聴く人の心を揺さぶる名曲になっています。
「あいみょん=危険すぎる歌」のイメージを覆すような透明感のある作品です。
主演のヤオ・アイニンが演じるユーウェンをイメージして書き下ろされた「漂白」について紹介します!
美しすぎるMV
映画の名シーンに注目
冒頭、中国語での語りが目を引くMVです。
「恋愛奇譚集」からの場面をつなぎ合わせたMVは、映画に登場する名場面がたくさん詰まっています。
どこかノスタルジックさを感じさせる田園風景が広がる映像にあいみょんの切ない歌声が重なり、聴く人の感性に直接突き刺さる一曲です。
恋愛奇譚集はどんな映画?
私は恋愛を信じない。
だって恋愛している人は
どこか馬鹿に見えるから。
出典: https://www.youtube.com/watch?v=dd1OJ0fTa9Y
MVの冒頭にも登場する台詞です。
主人公のユーウェンは台湾からの留学生として福島県の高校へやってきます。
言葉も通じない異国の地でユーウェンは孤独を抱えています。
まさに冒頭の台詞のように、自らも壁を作り内側に閉じこもってしまいます。
この年代の女子なら一度は感じたことがある経験かもしれませんね。
そんなとき、ユーウェンは福田麻由子演じるユリと出会い、本心を語り合える仲となります。
だがしかしユリはユーウェンにしか見えない幽霊なのでした。
孤独者同士の絆
日本語が話せず周囲と打ち解けられないユーウェンと、幽霊だから誰にも気づいてもらえないユリは、理由は違えど強い孤独を抱えた存在です。
心に直接問いかけてくるような瑞々しい世界観であり、この映画から着想を得た「漂白」も10代ならではの純愛を鮮やかに描いています。
タイトルにあるように心が「漂白」され真っさらになるような気持ちになる楽曲です。
「漂白」に込められた想い
10代のうちに人を何人愛せるかな
私は今日も何かを求めてる
従来のようにシミひとつ残さずに
白く白く洗い流す
心を優しい泡で洗い流す
出典: 漂白/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん
誰しもが経験する10代の初恋。
「初恋を成就させたい」と願う歌はたくさんあります。
しかしここでは「人を何人愛せるかな」と言いきっています。
最初から初恋を最後の恋にするつもりなどないのです。
初恋はあくまでも通過点に過ぎない。愛せる人に何人出会えるのかという投げかけは、一見してとても前向きな考えです。
しかしその後ろには実らなかった恋が出会った数だけ置き去りにされています。
感傷にひたる間もなく次の恋へ進む分だけ、心には傷が増えていきます。
そんな失恋の傷を「汚れ」に喩えているのです。
その過去はきっと悲しい……
失恋にも様々な種類があります。
中には良き思い出として昇華されるものだってあります。
そういう恋愛であればわざわざ忘れる必要などありません。
しかし歌の中では「心を優しい泡で洗い流す」行為をしています。
自分にとっては美しくない思い出を洗い流すその泡もまた、次々に求めた愛する人です。
人を愛した数だけ傷つくことは分かっているのに、また別の愛でもって過去の恋愛を押し流そうとする経験は皆さんもあるのではないでしょうか。
また会いにきてね
馬鹿馬鹿しいほどに私は恋をしていたわ
消えないでいてね
まだまだ知りたいことがあります
出典: 漂白/作詞:あいみょん 作曲:あいみょん