愛を歌ったモーニング娘。

モーニング娘。1997年から長い歴史を持ちます。最初はテレビ番組内でのオーディション企画から生まれたグループです。しかし徐々に人気をのばし、2000年ごろには誰もが知る国民的グループになっていきました。

今回はモーニング娘。がブレイクするに至った経緯を、筆者が分析し、まとめてみました。愛を歌うことに成功した人たちはそれほど多くありません。しかしモーニング娘。は間違いなく愛を歌うことに成功したグループです。

ASAYANとは?

モーニング娘。を生み出したのはテレビ東京の「ASAYAN」というオーディション番組。小室哲哉やつんくプロデュースで次々にスターが誕生しました。

オリコン1位を成し遂げた「抱いてHOLD ON ME!」 1998年9月

もう一度スキって聞かせてほしい
KISSして髪をなでて
KISSしてねぇ笑って

出典: http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Vocal/8866/musume/cd/daite.html

モーニング娘。が初のオリコンチャート1位を獲得した曲。 作詞、作曲をてがけたシャ乱Qのつんくはこの曲を「完璧に作れた」と語っていたそうです。もう一度好きと言って欲しいと願う女性の気持ちをシンプルに歌っているこの曲。しかし、この気持ちはモーニング娘。の誰かの気持ちなんでしょうか? ここにオリコンチャートの1位をとっても、まだ未完成だったかもしれないモーニング娘。の姿があるような気がします。 

登場するフゥフゥ。「真夏の光線」 1999年5月

モーニング娘。の5枚目のシングルです。 彼女たちはきっとこの曲で本当の自分たちになるきっかけを掴んだのではないか。そう筆者は考えます。

青い空が微笑んでくれた
ドライブなんて グッドタイミング 
こんな日もあるのね

出典: http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Vocal/8866/musume/cd/manatsu.html

たぶんあまり良くない日が続いていたのでしょう。でも天気が晴れてくれたし、ドライブをしようと言ってくれたから、今日はいい日だ。そういうささやかな女性の思いから歌ははじまります。

いいことが重なりすぎてるわ
雨男の 彼が
口笛なんて吹いて

出典: http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Vocal/8866/musume/cd/manatsu.html

次の部分でいいことが重なりすぎていると言います。この良いことが何かわかりません。ドライブ中に何かあったのでしょうか? 雨男の彼が晴れの日に口笛を吹いている。それがこの女性にとってとても良いことなのです。

この歌の歌詞はやはりつんくが書いています。でも完全に女性の目線から歌詞を書いています。そしてモーニング娘。がモーニング娘としてのアイデンティティ、自分が自分であることを獲得する決定的な瞬間がやってきます。 彼女は決心します。この男は三枚目だけどついていってやるかと。

そういう決意に対して、

"フゥフゥ"

というモーニング娘。をモーニング娘たらしめるあの囃子詞(はやしことば)が誕生します。

囃子詞(ハヤシコトバ)とは?

囃子詞(はやしことば)とは、歌謡などで歌をひきたてたり、活気づけたりするために、歌詞の本文に挿入されたみじかいことばとあります。 この囃子詞とは、ソーラン節の<<ヤーレ ソーラ ソーラ ソーラ>>というかけ声と同じものです。 日本の歌には昔から、そういう意味のわからない囃子詞が使われていました。

日本の未来はウォウウォウ・「LOVEマシーン」 1999年9月