数少ない切符を手にして実現した夢
君がいない夜を越えて やがて辿り着いたEDENは
虹が見える景色なのに なぜか悲しくて
そばにいない 過去になった 鳥はもう捕えられない
もう今さら 空に溶けた君をさがしてみても
出典: EDEN~君がいない~/作詞:yasu 作曲:yasu
努力してやっとの思いで東京に出てこられて、憧れだったL'Arc〜en〜Cielの近くに行くことができた。
デビューすること自体、相当狭き門だったところを実力で勝ち取ったのです。
長年の念願がかなったのだから歓喜に震えるべき状況と思いきや…
yasuさんは喜びきれないといった様子。
そうです。
夢の実現のために別れを選択してしまった彼女のことが今もyasuさんの気持ちを捕らえていました。
自ら切り出した別れであり、これからも活躍して行くためには復縁も言い出すことができない。
でも今でもやっぱり好きなんだ!という葛藤を感じることができます。
なぜ「自ら別れを切り出した」と思ったか。
その答えは、下記の歌詞で描かれています。
二人きりの最後の夜 無理に笑ってみせたんだね
涙声でつぶやく寝言「…一人にしないで…」
どこにゆけば 何をすれば 虹のかかる空が見れるの?
だから僕は そのまぶたに 最後の口づけをした
出典: EDEN~君がいない~/作詞:yasu 作曲:yasu
この歌詞の中の1行目2行目が全てです。
このつぶやきの主は「君」であると推測できますので、別れを切り出したのがyasuさん本人である。
ということが読み取れるのです。
おそらく、この口づけのあと、眠った「君」を置いてひとり旅立ったのでしょう。
これ以上別れを辛いものにしないための気遣い。
yasuさん本人も辛い思いを押し殺しての決断だったと思います。
このあと、はっきりと明言した歌詞も出てくるので決定的ですが。
優しく髪をなでる風 頬杖ついたまま あの頃思い返して
僕から別れを告げた日 あれから大人になった君が幸せでいるなら それでいい
出典: EDEN~君がいない~/作詞:yasu 作曲:yasu
二度と戻ることのない大切な存在
そばにいない 過去になった 鳥はもう捕えられない
もう今さら 空に溶けた君をさがしてみても
出典: EDEN~君がいない~/作詞:yasu 作曲:yasu
繰り返される歌詞のフレーズです。
上述の通りですが、復縁は望めません。
だから、ただただ元気でいてくれることを願うばかりなのです。
ここまでyasuさんを心酔させる「君」という存在。
別れ方や、その理由といったところが大きく影響しているのは言うまでもありません。
しかし、恐らく別れを切り出された時に泣きついて引きとめなかった「君」の態度が大きかったのでしょう。
夢を追いかけようとしているyasuさんを応援するために別れを飲み込んでくれた「君」。
本心は寝言で漏れてしまいましたが、それでもそこまで耐えて送り出してくれたのです。
これは、これから頑張っていこうとするyasuさんにとって大きな力となったことでしょう。
そんな存在だからこそ、いつまでもyasuさんの心の中に「君」という存在は輝き続けているのです。
Janne Da Arcの物悲しくも輝かしい上京物語
「君」という犠牲の上に掴んだメジャーデビュー
「君」という、yasuさんにとってとてつもなく大きな犠牲の上に掴んだデビューという栄華。
地元を離れ、東京という理想郷に向かう自分を応援してくれた「君」の存在がこの名曲を生み出しました。
いわば、Janne Da Arcの上京物語を歌った楽曲なのです。
地元を離れて新天地へ向かう人は、多いと思います。
そんな人たちがこの曲を聴いて、地元に残してきた大切な人を思い出して再び頑張ろうと思えるのではないでしょうか。
ミュージシャンは芸能界という華々しい世界なので一般人とは共通点はなさそうですが、実はそうでもないのです。
中身は同じ人間。
悲しみも喜びも、我々と同じなのです。
そうやって自叙的な歌詞を透き通った声で歌い上げることでリスナーに届けて寄り添ってくれるバンド。
それがJanne Da Arcなのです。
これでこの歌詞の解説を終わります。
まとめ
デビュー3作目にしてこのクオリティ。
実力派バンドJanne Da Arcの底力を実感いただけたかと思います。
そんなJanne Da Arcが得意とする、疾走感溢れるロックチューンを紹介した記事があるのでご紹介します!