難解なサビの解釈
浮き上がるトビウオという言葉
アスファルト飛び跳ねる
トビウオに擬態して
血を流し それでも遠く伸びて
必然を偶然を
すべて自分のもんにできたなら
現在を超えていけるのに。。。
出典: 擬態/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
この「擬態」のサビは非常に観念的。
難解な比喩表現が多く使われたこの曲の中で、印象的に浮かび上がるのが『トビウオ』という言葉です。
『トビウオ』は水上に飛び出し、胸ビレを使って猛スピードで滑空する魚です。
その『トビウオに擬態』というのは、この世界を抜け出してという解釈が出来そうです。
トビウオが飛び出してくる『海』、そこを『アスファルト』と言い換えています。
トビウオが本来生活している場所は『海』、そしてそのトビウオに擬態した私たちが生活しているのは『アスファルト』の上。
そこで飛び跳ね、この世界を抜け出そうとすれば、硬いアスファルトに打ち付けられて、傷を負い、血を流さずにはいられません。
それでも遠く伸びていければ現在を超えていけるのに......
最後の『のに』が、たとえ叶わないとしても......という強い願いを感じさせてくれます。
真実を見抜く眼
ストレートな呼びかけ
比喩表現で積み上げられた歌詞で、現代社会を描いている「擬態」ですが、次のフレーズはとても直接的なメッセージになっています。
エネルギッシュなチューンがストレートなフレーズを上手く強調して、たたみかけるように言葉が入ってきます。
ここがこの「擬態」で最も言いたいことであるのは間違いないところですね。
富を得た者はそうでない者より
満たされていると思ってるの!?
障害を持つ者はそうでない者より
不自由だって誰が決めんの!?
目じゃないとこ
耳じゃないどこかを使って見聞きしなければ
見落としてしまう
何かに擬態したものばかり
出典: 擬態/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
ここには、『実は、この世の中はなにかに擬態したものばかりではないか』という確信に近い疑いがあります。
またそこから『裕福な者が幸せとは限らない』、また『ハンデを背負った人が不幸せという訳ではない』という、二つの逆説的な真理を述べています。
良い意味でも悪い意味でも『見た目に惑わされてはいけない』という強いメッセージが込められているのがこの「擬態」というナンバーなんですね。
最後に動画とコード譜を
ドラムのロール感がハンパない
それでは動画とコード譜をお届けします。
この「擬態」は特にドラムのロール感が素晴らしいナンバー。
タム、スネアの手数は決して多いというわけではないのですが、刻み方が巧みでこのナンバーのドライブ感を増しています。
弾き語りなら、ギターをかき鳴らすイメージがいいですね。
本当にいい曲です!
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