ツッパリの意味
ツッパリと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。 便利なつっぱり棒?
それとも昭和の死語だと感じる方がいるかもしれません。
ツッパリの言葉の意味を調べてみると、「虚勢をはって、不良じみた態度をとること」 とありました。
不良行為をする少年少女。いわゆるツッパリは、昭和50年代に頭角を現しました。
のちにヤンキーという表現に変わりましたが、現代では非行少年を指す俗語は聞かれなくなっています。
そもそも一目見てツッパリやヤンキーだと分かる若者を、近年すっかり見かけなくなった気がします。
横浜銀蠅の「ツッパリHigh School Rock 'n' Roll」が大ヒットした昭和56年。
当時の背景には、ツッパリのスタイルに憧れる風潮がありました。
メンバーの翔、Johnny、TAKU、嵐の4人が、これぞツッパリというイカしたスタイルでロックンロールを演奏。
その姿に、ちょっと怖そうだけどカッコイイと感じた若者は少なくありませんでした。
番外編もいろいろ楽しい
横浜銀蠅の名を世に知らしめた「ツッパリHigh School Rock 'n' Roll」。
この曲はツッパリを昭和の文化のひとつとして世の中に浸透させたことに、一役かっているかもしれません。
横浜銀蠅のメンバーであるドラムスの嵐ことタムラヨシユキが、作詞作曲を手掛けました。
反社会的なイメージのあるツッパリの日常のひとコマを、コミカルに表現した歌詞が魅力です。
「登校編」に続き、のちに「試験編」「還暦編」など、アレンジバージョンも発表されて注目を挙びました。
さらに2020年には結成40年を迎えた横浜銀蝿が満を持して再結成。
LIVEは残念ながら中止となりましたが、「在宅自粛編」をYouTubeで公開し大きな話題となりました。
今回は「ツッパリHigh School Rock 'n' Roll」の元祖である「登校編」の歌詞の意味を紐解いていきます。
「登校編」の歌詞の意味を踏まえてから番外編も聴いてみると、より横浜銀蝿の魅力の虜になるかもしれません。
今日もイカしてスタートきるぜ!
ツッパリスタイル全開!
今日も元気に ドカンをきめたら
ヨーラン背負って リーゼント
出典: ツッパリHigh School Rock'n Roll (登校編)/作詞:タミヤヨシユキ 作曲:タミヤヨシユキ
ドカンって何か分かりますか?擬音ではなく単語です。
ツッパリは、制服のズボンを太く改良したドカンを履いていました。
履いているズボンが太ければ太いほど、威圧感があり強そうな印象を与えていたのです。
では、ヨーランとはなんでしょうか。
これらの単語の意味が説明なしでも分かるなら、恐らくツッパリ世代ドンピシャな方でしょう。
ツッパリは、制服の学ランの上着を足の脛あたりまで長く改良したヨーラン=洋ランを着こなしていました。
そして、ヨーランの裏地には派手な刺繍が施されていました。
ツッパリグループの間では、先輩から代々改良された上着を受け継がれるという風習もあったようです。
校則違反の制服を着ることが、ツッパリにとって最前線のスタイルでした。
そのため、当時は制服のズボンや上着の長さを厳しく取り締まる校則が珍しくなかったのです。
さらに、ツッパリの髪型は10代ながらリーゼントでビシッと決めるのが、お決まりのヘアスタイルでした。
このツッパリも念入りに髪型を整えるなど、毎朝お決まりのルーティンをこなしていたようですね。
誰もが一目見て不良と認識できる出で立ちで、校則違反は当たり前だったのです。
忘れていないか念入りに確認
つっぱりHigh School Rock 'n' Roll
つっぱりHigh School Rock 'n' Roll
ソリも入れたし 弁当も持ったし
出典: ツッパリHigh School Rock'n Roll (登校編)/作詞:タミヤヨシユキ 作曲:タミヤヨシユキ
これから何度も繰り返されるサビの部分です。
題名ではカタカナ表記で「ツッパリ」と表していますが、歌詞ではひらがなで「つっぱり」と歌われています。
そのため反社会的なツッパリが主役の歌詞でありながら、やわらかい響きがあり微笑ましく感じられます。
ソリと言っても冬道を滑って乗るソリではありません。
そもそもイカしたツッパリがソリに乗っていたら、格好つかないでしょう。
ソリとは、額に入れる剃り込みのことです。ソリが深いほどコワモテという時代でした。
こんなに斜に構えているのに、ちゃんと母親の作ってくれたお弁当は忘れずに持っていくんです。
ツッパリとはいえ、可愛い一面があることを物語っていますね。
愛しのあの娘と幸せだぜ!
ツッパリ女子の定番スタイル
可愛いあの娘は くるくるパーマに
長めのスカート ひきずって
出典: ツッパリHigh School Rock'n Roll (登校編)/作詞:タミヤヨシユキ 作曲:タミヤヨシユキ
ここまでは男性のツッパリのスタイルについて、歌詞から学ぶことができました。
2番の歌詞では女性のツッパリが登場します。
クルクルに巻いたパーマヘアがツッパリ女子の主流でした。
さらに制服のスカートは、踝までの超ロングに改良。
ズルズルとひきずるように履くのがツッパリ女子のステータスでした。
このツッパリの好みの女性もバリバリのツッパリで、いわゆるスケ番だったようですね。