「flyby」ってどんな曲?
今回ご紹介いたします曲は「バンプ」と呼ばれ愛されている「BUMP OF CHICKEN」の「flyby」です。
「flyby」が収録されているアルバム名は「orbital period」。
このアルバム名を日本語に訳すと「公転周期」という意味になります。
かみくだいて説明すると「ある星が他の星の周りを1周回るのにかかる時間」といったところでしょうか。
自転と公転
星の回転運動は大きく分けて2種類。
その星自身の回転軸(地軸)を中心に回転する「自転」と、他の星を中心に回転する「公転」です。
地球であれば太陽、月であれば地球を中心にそれぞれが公転しているということは有名でしょう。
本アルバムにも星に関する曲が収録されていますが、このアルバム名の由来はもっと壮大なものでした。
アルバム名の由来
1979年生まれの藤くんは、同じ日付に同じ曜日になる年を調べてみたようです。
すると、1990年、1996年、2001年、2007年、2018年、2024年…となっていました。
調べた結果、「11年・6年・5年・6年」というサイクルが連続しているということに気づいたのです。
11+6+5+6=28年でちょうど1回の大きな周期を迎えます。
本アルバムが発売されたのはメンバー全員が28歳になる2007年。
ちょうどこの長い周期に初めて達した年ということもあり、つけられたアルバム名なのです。
次にもし「orbital period 2」というアルバムをリリースするとなれば、さらに28年後…。
すなわち2035年、彼らが56歳になる年ということになりますね!
バンプファンに広げてほしい小ネタ
ここで豆知識を紹介いたしましょう。
自転は英語で「rotation(ローテーション)」といいます。
それでは、公転は英語で何というでしょうか?
…なんと正解は「revolution(レボリューション)」です。
「革命」という意味の印象や、とあるお笑い芸人さんのネタが出てきそうな単語ですね。
ぜひバンプ好きな仲間に出題してみてください。
「voyager」→「flyby」
バンプのアルバムは最初の曲と最後の曲が対になっていることがあります。
一作前のアルバム「ユグドラシル」であれば「asgard」と「midgard」の組み合わせ。
インディーズアルバム「THE LIVING DEAD」の「Opening」と「Ending」もこれに相当しますね。
「orbital period」においてもこの規則が当てはまっております。
1曲目「voyager」は2曲目「星の鳥」と音が繋がっていますが、ラストの本曲とも見事にリンク。
「voyager」と「flyby」を繋げた動画を発見しました。
収録順に聴くだけでは分からない、とても自然で美しい繋がりをご堪能ください。
フライバイとバンプの関連性
「by」は「〜の近く」、「fly」は「飛行」という意味をそれぞれもちます。
これらを組み合わせた単語が、本曲のタイトルである「flyby」。
探査機が惑星に着陸せずに周囲を公転し続ける様子を意味するのがこの単語。
フライバイを行なっている間に、探査機は星を観測したり、星の重力を利用して加速したりします。
そして何度もフライバイを行ったのが現在もミッション中の探査機ボイジャー。
ボイジャーのミッションは、木星や土星をはじめとした太陽系の中でも地球から遠い惑星の観測。
さらには太陽系の外に脱出し、地球外生命体を探す「夢を追う旅人」のようなものです。
しかし太陽の重力は極めて強く、脱出するにはたくさんの星を利用して加速する必要がありました。
ボイジャー1号と2号は2019年現在、フライバイを重ねて遂に太陽系を脱出しております。
そしてこの両機が木星を観測し、フライバイを行なったのが1979年。
そう、バンプのメンバー達が生まれた1979年には「jupiter」や「flyby」というワードが世界中で使われたのです。
この運命も一つの要素となり、さまざまな星に関わる楽曲がバンプから生み出されたのですね。
「木星」を意味するアルバム名「jupiter」も、こう考えると趣深いものを感じませんか?
それでは、次の見出しから「flyby」の歌詞の意味を考察していきます。