Aメロ
子どもたちは 真夜中にイヤフォン
大人たちは にぎやかにテレフォン
悪いハートのお金持ちは とーぜん夢見病
澄んだ瞳の彼氏たちは めまいをくりかえしそう
出典: care/作詞:井上陽水作曲:井上陽水
Aメロから不思議な歌詞ですね~。
「子どもたち」と「大人たち」、「お金持ち」と「彼氏たち」。
「真夜中に」と「にぎやかに」、「イヤフォン」と「テレフォン」。
2行ずつ言葉を対比しています。
どうやら、特定の誰かがこの曲の主人公なのではなさそうですね。
街全体を描写しているみたいです。
Aメロ(2回目)
夏の歌は 潮風に連れられて
白いカモメ どこまでもマリン・ブルー
沖をながめて お船たちにとーぜん恋しそう
大人でも子どもでもなく 日差しがまぶしいだけ
出典: care/作詞:井上陽水作曲:井上陽水
夏の海、もしかしたら港町が舞台かもしれません。
MVでも湘南が出ていましたしね。
そして主人公は現代の人間ではないかもしれません。
フランスのマルセイユ、もしくはポルトガルが舞台でも似合います。
船の上では水兵がマストを掲げている。
水兵が着るセーラー服の色は青と白のボーダー。
この部分では「白いカモメ」と「マリン・ブルー」がそれを暗示しているような気がします。
筆者の想像ばかりが膨らんでしまってすみません(笑)
シンプルな単語や言葉遣いですが、その分リスナーのイメージ喚起力が強くなる曲だと思います。
サビ
毎日SUMMER DAY
気をつけてお嬢さん
真夏のあの光に WOWOWO
I LOVE YOU EVERYDAY
気をつけて恋して
あなたは夢ばかりで WOWOWO U-
出典: care/作詞:井上陽水作曲:井上陽水
サビで登場する「お嬢さん」とは、いったい誰をさすのでしょうか?
おそらく女性全体、特に恋をしている女性のことだと思います。
タイトルの『care』は、日本語にすると「気がかり」。
文字通り「気をつけて」という意味です。
何から気をつけるのでしょうか?
それは「夏の誘惑」からだと思います。
夏は男性も女性も開放的になりがち。
そして、花火大会や海など、多くのイベントがあります。
そのイベントのために、恋人を作る人もいるのではないでしょうか?
夏は、男性にとって意中の女性を誘いやすい季節です。
「開放的になるのもいいけど、慎重なところは慎重に」というメッセージだと思います。
「お嬢さん」が主人公だと仮定すると、彼女は夢見がちなんですね(笑)
2番Aメロ
夏の風にひびかせて トロンボーン
海の果てに呼びかけて メガフォン
いだき合う恋人たちは だんぜん目がハート
はじけ飛ぶリズムたちに おひさま照り返しそう
出典: care/作詞:井上陽水作曲:井上陽水
2番になるとより一層言葉遊びが多くなりますね。
この曲では、歌詞の意味ととらえるというより、言葉の響きやリズムを楽しんだ方が良いと思います。
そしてここでも1番Aメロと同じように、言葉の対比が出てきます。
「夏の風に」と「海の果てに」、「ひびかせて」と「呼びかけて」。
「トロンボーン」と「メガフォン」。
すべて韻を踏んでいますね。
これも、楽曲をよりリズミカルにするのに役立っていると思います。
2番サビ
毎日バレンタイン
気をつけて恋して
I LOVE YOU,ANYTIME
気をつけて愛して
世界は夢ばかりで WOWOWO U-
出典: care/作詞:井上陽水作曲:井上陽水
夏の歌なのになぜか「バレンタイン」(笑)
彼らしい一流のユーモアですね!!
これを解釈するのも無粋ですが......。
あえて解釈しましょう。
夏なのにまだ「バレンタイン」が続いている「お嬢さん」。
ということは、年中モテモテなんでしょう。
その中に彼女の意中の人がいるかどうかは分かりません。
もしかしたらいないのかもしれませんね。
若く綺麗で、これからバラ色の人生が待っている彼女。
その彼女に「気をつけて」と囁きます。
この曲はラブソングだとは思いますが、フォーカスの仕方がユニークですね。
一般的に、意中の人の描写をしたり、彼との恋愛「そのもの」を描くと思います。
しかし、井上陽水さんは違います。
「お嬢さん」の眼前に「彼氏たち」を並び立てます(笑)
そして老婆心さながら「気をつけて恋愛しなさいよ」と言う始末(笑)
この視点での作詞は、洋の東西どこをとっても今まで無かったのではないでしょうか?
それだけユニークな視点だと思います。
この曲のもう一つのテーマは「風景描写」。
海辺の街が描写されますが、ただの自然描写だけではなく、人物描写もしています。
「お嬢さん」もいれば「悪いハートのお金持ち」も存在します。
玉石混交なものを対比させて、主人公のイノセントさを出すのに成功していると思います。