奥華子の原点

メジャーデビューのきっかけ

奥華子【花火】歌詞の意味を徹底解説!せっかく一緒に花火を見に行ったのに…切ない夏の一コマに胸キュンの画像

2005年にメジャーデビューするが、本作品を収録したシングル及びアルバムの発売は以降2009年の再リリースまで全く無く、知名度が上がっていくにつれ、ライブ等で歌われるのみの幻の作品となってしまう。結果として中古売買価格が10万円を超えるなどの異常な現象が発生し、長らく音源を手に入れることができない状態が続いていた。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/花火_(奥華子の曲)

「花火」は、2015年10月28日に発売された奥華子の8枚目のアルバム、「プリズム」に収録されています。

そしてこの「花火」は、彼女のインディーズ時代の1枚目のシングルです。

2005年にインディーズレーベルからリリース。

またこの曲は、奥華子の原点としてリリースされた10周年記念シングル「楔」にカップリング曲として収録されています。

美しくストレートな歌詞は、物語をそのまま読み聞かせられているような感覚に陥ります。

お互い確かに想いあっていたけれど、その未熟さゆえにすれ違い、叶わなかった恋。

切ないけれど、胸がキュンとする純愛物語を解説していきます。

少年の恋

一生分の小さな恋

この曲の歌詞の主人公は「僕」。

今回はこの歌詞を、ある少年の初恋の物語として解釈しました。

歌詞の内容から考察すると、少年は高校生くらいでしょうか。

高校生活最後の夏。初めての恋、葛藤、別れを経験した少年の物語。

少年にとってこの恋は生涯忘れられない、大切なものとなりました。

皆さんも忘れられない人、あの頃の恋を心の片隅に思い出しながら、歌詞を通して甘酸っぱい青春に浸って下さい...。

第1話

初恋

君に恋した 夏の日 波音聞こえる帰り道 初めてキスをしたね いつも約束してたね 真夜中にそっと抜け出して ふたりの星探した

出典: 花火/作詞:奥華子 作曲:奥華子

この曲の魅力は、少年の感情だけではなくその場の情景が目に浮かび、心で想像できる美しい歌詞

冒頭部分やそれ以降の歌詞でも、少年が見た景色がまるで小説の様に綴られています。

恐らく都会から離れた自然豊かな場所でしょう。

そんな小さな街で、少年と少女は恋に落ちました。

海沿いの道を2人で寄り添い、歩幅を合わせて歩く帰り道。

ザァザァと爽やかな夏の波の音色が、歌詞を通して今にも聞こえてきそうです。

この部分から窺えるのは、近いようで遠慮がちな二人の距離

波の音がなければ、きっと2人の鼓動はお互いに聞こえていたでしょう。

少年は勇気を出してそっと少女の手を握り、少し時間が経ってから二人は小さくキスをしました。

夕陽色に染まる少女の頬を横目で感じながら、少年は「この時間が永遠に続けばいいのに」そう思い、なるべくゆっくり歩きます。

2人にとって、初めてのキス。

冒頭のこの文で、この恋の純粋さと美しさがこれでもかと語られているような気がします。

ずっと一緒にいたいのに、学校では照れくさくてなかなか話しかけられず、友達のふりをしてしまう。

家族が寝静まった後家を抜け出し、二人だけの時間を探して、二人だけの特別なものを探した少年と少女

満点の星空の中、2人は子供ながらに「ずっと一緒にいよう」と誓い合いました。

あぁ、なんて純粋で甘酸っぱいのでしょう。

恋って不思議なものです。

大好きな人が隣にいると、目にもとまらぬ速さで時間が過ぎ、何にも劣らない幸福感で心が満たされます。

想い出

砂に書いたあの日の落書き 今も胸の中消えなくて

出典: 花火/作詞:奥華子 作曲:奥華子

放課後、毎日のように2人は海辺に立ち寄って海を眺めていたのでしょう。

大好きな人の隣で、沈む美しい夕陽をぼんやり眺めるのは2人にとって本当に幸せな時間でした。

少女は小さな貝殻で、砂に何かを書いて恥ずかしそうに少年を見つめます。

「スキ。」2人はまた小さくキスをしました。

その文字は押し寄せた波に包まれて、海に旅立ってしまったけれど、ずっと少年の心から離れない。

少女が書いた文字は、砂浜だけでなく少年の心にも深く刻まれることとなりました。

少女との想い出、そして少女の花のような笑顔を少年は片時も忘れることができませんでした。

第2話

花火大会