テーマは?
監督はチャングンソク
チャングンソクがMVの監督を手掛けたTEAM Hの『Summer Time』。
この曲は「大都会からの脱却」がテーマとなっています。
ところで「脱却」が意味するものとは、一体何なのでしょうか?
またMVに込められた意味とは?
モノクロが映し出すもの
印象的なMV
「青い空」という歌詞から『Summer Time』ははじまります。
しかし、そんな色を含んでいる歌詞に反し、モノクロの風景からはじまります。
モノクロの光景から静かにはじまるMV。
見慣れないせいか、どこか寂しさすら感じさせます。
『Summer Time』の歌詞。
出だし部分の『青い空』をはじめ『赤い日差し』『鮮やかな光』。
色を連想させる言葉がいくつも並んでいます。
そんな歌詞と共に流れていくのはモノクロのMV。
しかし不思議と歌詞に含まれている色。
それを脳細胞で鮮やかに映し出しているように感じます。
それと同時に感じるのは大都会の中にある影の部分や寂しさです。
都会は豊かで物や人に溢れています。
夜になれば華やかなネオンに照らし出され常ににぎやかです。
しかし、そんな華やかさを楽しいと感じます。
また、ふいに寂しい気持ちが胸をよぎることもあるでしょう。
そんな誰もが抱いたことのある孤独感や寂しさ。
それを白黒のMVで見事に表現しているのです。
なつかしさの中にある脱却
ノスタルジーな光景
MVに映っている風景。
それは誰もが一度は目にしたことがあるはずの風景です。
しかし、どこかノスタルジックに映ります。
中でも2人が歩いている細い路地のような場所。
そこは、韓国に行ったことがない私でもどこか「懐かしい」と感じる風景。
そう感じさせてくれます。
都会の中にある「郷愁」を感じる風景。
こうした風景の中を歩いている2人。
彼らは「大都会からの脱却」を望んでいるように映ります。
懐かしい風景の中にも必ず逃げ場所はあります。
それは幼い頃に遊んでいた公園。
夏休みを過ごした親戚の家。
人によって様々でしょう。
そうした「懐かしさ」が大都会から私達を一時的にでも遠ざけています。
そして、時に心をほっとさせてくれるのではないでしょうか。
『二度と来ない今』という時
今を生きる
二度と来ない今
出典: Summer Time/作詞:BIG BROTHER、JANG KEUN SUK 作曲:BIG BROTHER、STAINBOYS
この歌詞に合わせて、MVでは2人がすれ違う人達とぶつかっています。
そんな場面を見て浮かんだのが「一期一会」という言葉。
「一期一会」とは「一生に一度の出会い」という意味の言葉です。
また、「一生に一度の機会」という意味も持っています。
すれ違い、ぶつかる人とは、まさに一生に一度会うかどうか……。
その後、再び出会う確率はかなり低いでしょう。
たとえ同じ街に住んでいてもです。
そして誰かにぶつかっても、ただまっすぐに、前を見て歩くことをやめない。
そんな2人の姿勢。
障害にぶつかることがあっても諦めてはいけない。
確実に前を向いて歩いていくという強い意志を感じます。