高橋優さんについて
高橋優さんは、2010年にメジャーデビューしたシンガーソングライターです。
インディーズ時代に作られた「こどものうた」、デビュー曲の「素晴らしき日常」をはじめ、世間の闇に切り込むような歌詞が魅力的です。
「福笑い」や「明日はきっといい日になる」などの優しく明るい曲も人気ですが、優さんのもう一つの魅力は、こうした曲に詰まっていますよ。
「本音」をぶつけた8枚目のシングル
「(Where's)THE SILENT MAJORITY?(ウェアーズ ザ サイレント マジョリティー)」は、メジャー8枚目のシングルです。
2013年にリリースされ、『みんな!エスパーだよ!』の主題歌にも起用されました。
「SILENT MAJORITY」とは【声なき大衆】というような意味がありますから、不平不満があっても声高にそれを叫ぼうとしない世間に向けた歌だと言えます。
たしかに、日常生活の中で納得できないことや不満に思うことがあっても、めったなことでは抗議したり批判したりしませんよね。
それが日本人にとって当たり前で、声高に自分の意見を主張することは、どこか恥ずかしいこと、避けるべきことという感覚があります。
同じ日本人として、それではダメだと沈黙を破った優さん。ジャケットにも言葉がランダムに並べられ、情報社会とそこに潜む数々の問題を象徴したようなデザインになっています。
沈黙を破るという覚悟
高橋優さんはこのシングルを作る時、「沈黙を破る」ことをテーマにしたそうです。それまで心の内に抱えていた思いを歌詞にして吐き出したわけですね。
だからこそ、歌詞の中には現実的に日本が直面している問題がたくさん出てきます。
しかし、歌詞だけだと重く感じられる言葉が、アップテンポな曲調によって、ちょうどよい具合に調整されているところがさすがですね。
誰もが抱えている思いを代弁
「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」の中で優さんは、誰もが抱えていること、思っていることを代弁してくれています。
本当は疑問に思っていること、間違っていると感じていること、憤っていることさえも、優さんが歌にしてくれることですっきりしますし、はっとさせられます。
そんな、少し過激でどこか愛のある「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」の歌詞をご紹介しましょう。
思い当たることや「あるある」と感じることが見つかるかも知れません。
「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」の歌詞を紹介
日本の現状を羅列
ロックンロールを奏でた人達が唄った Love&Peaceは今どこにありますか?
戦争があったときよりも沢山の人が 尊い命を自らの意思で絶ってるこの世界で
凶器も戦闘機も備え放題 エグい画像アップしたらハイ御終い?
愛する人よ君の声 聞かせてくれえ
出典: (Where's)THE SILENT MAJORITY?/作詞:高橋優 作曲:高橋優
50基の核発電所 年に5000回揺れる列島
ここで生きてゆく僕らのBlowin' in the wind.
出典: (Where's)THE SILENT MAJORITY?/作詞:高橋優 作曲:高橋優
この箇所は、まさに日本の現状であり、抱えている問題ですよね。自殺や原子力発電所の問題や、誰でも動画をアップできるが故の問題など、課題は山積みです。
地震大国と言われる日本に、原子力発電所がたくさんあり、今でも稼働している問題やそこに感じる危機感など、優さんのリアルな感情が歌われています。
ご機嫌いかがですか?そこのお嬢ちゃん
引き籠もる前に一杯どう?
ここで生まれ育って良かった そう心から言えるときを信じてる
出典: (Where's)THE SILENT MAJORITY?/作詞:高橋優 作曲:高橋優
ご機嫌よろしゅうだね そこのお兄ちゃん
舐められてるぜ ゆとり世代
声なき声を響かせてこうぜ Power to the people!!!!
沈黙はぶっ壊してやろうぜ
出典: (Where's)THE SILENT MAJORITY?/作詞:高橋優 作曲:高橋優
サビの部分では、引きこもりやゆとり世代のことにも触れています。「舐められてるぜ ゆとり世代」という歌詞に、ゆとり世代に対する世間の捉え方がよく表れています。
また、そうした物の見方を揶揄しているようにも見えますね。