「BASIS」とはまるで諸行無常のよう
光が当たるか当たらないかのギリギリのところから、異彩という光を放ち続けるBRAHMAN。
日の目を見やすく注目されやすいメディアにはあまり露出することなく、ライブバンドとして活躍しています。
1990年代後半に起きたパンクバンドブームの火付け役の一旦を担っているといってもいいでしょう。
浮ついた言葉は一切なく、ズドン!とあなたの魂を打ち抜く楽曲「BASIS」を今回はお届けします。
男臭さとそれを地でいくストレートな歌詞に具現化させるBRAHMAN。
日本のみならず、世界にも多くの信者をもつミクスチャーロック・パンクバンドです。
BRAHMANを初めて聴いた時の衝撃を、呼び起こさせる1曲ではないでしょうか。
アルバム『A FORLORN HOPE』に収録
「BASIS」は、2001年6月にリリースされた2ndアルバム『A FORLORN HOPE』に収録されています。
「決死隊」という意味のタイトルアルバムは累積の売上50万枚以上のヒット作です。
BRAHMANを象徴する、無骨さの中に繊細な表現が随所に仕掛けられています。
怒りや哀しみ、感情むき出しで哀愁すら感じてしまうのです。
「BASIS」MVをご紹介!
「BASIS」は、BRAHMANのライブではほぼ毎回披露されています。
曲間を繋ぎ、ファンのテンションを一気に引き上げてくれる有名な楽曲なのです。
狂気の沙汰としか思えない、MVのオープニングは鬼気迫る様相に驚いてしまいます。
両掌に口から吐き出した何かを、無作為に四方八方へと放り投げ蹴り上げているのです。
演奏をする映像には背景がなく、漆黒の暗闇というイメージの演出になっています。
心の閉ざした闇を表し、吐露した邪心を未だ見えぬ何かへぶち撒けているように思えてなりません。
暗い奥底から這い上がりたい、必死にもがき苦しむ悲痛な魂の叫びが響いてきます。
心の葛藤や痛みが、聴いているこちらにも乗り移ってくるようです。
熱く激しい歌詞を余すところなく徹底解釈!
一言の重み
其処に立つ
出典: BASIS/作詞:TOSHI-LOW 作曲:BRAHMAN
イントロは、シンプルなこの一言を吐き捨てるかのように始まります。
MVでは、あたかも「BASIS」を象徴するかのごとく激しい動きで展開されていくのです。
やみくもに踊ることで、「絶対にここから動かない」と逆に表現しているのかもしれません。
やりきれない気持ちが爆発し、己に対する歯がゆさを見えない何かへ叩きつけているのでしょう。
その姿には殺気すら感じてしまいます。
まるで、自我を解放していく有り様を比喩しているのかもしれません。
それでいながらこの一言は強烈で、威圧感すら感じるのです。
気づけばボリュームを上げ、 「其処に立つ理由」を確かめたくなる衝動に駆られてしまいます。
なぜ其処に立つのか...
無駄な説明は要らない、と感情が赤裸々に物語っているようです。
削ぎ落とされたこの一言だけで、楽曲全ての指針や重要性が秘められています。
自分の意志で其処に立っているのか、あるいはそうせざるを得なかったのか?
何かをただ待っているだけにも感じとれます。
胸に突き刺さり、思慮深い一言であるのは疑う余地はありません。
己を見失う
沈む時と焦り無く漂う
交わす問いの行き先を答えず
気付き迫る忠告として尚
悖る道と哀しくも微笑む
出典: BASIS/作詞:TOSHI-LOW 作曲:BRAHMAN