激しく打ち鳴らされるドラムが耳に残りますね。

マイヘアの楽曲は短いものも多いですが、この曲も2分45秒と短いもの。

しかしその内容は濃密で、コロコロと変わっていく曲展開がなんとも爽快ですよ!

春になったら殺っちゃうぞ!
だから顔も体も名前も全部
ずっと覚えてて忘れないでいよう
待ちに待って殴っちゃうぞ!
だからあれもこれも番号も全部
ずっと覚えてて忘れないでいよう
神様だってそう言うさ
喪服に着替えて葬祭しよう
線香の匂いが香る
さよなら

出典: 復讐/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁

なんて物騒な歌詞でしょう。(笑)

ケンカ別れの直後など、こういった気持ちになるのもわからなくもないですね。

でもそれも時間が解決してくれるもの。

曲後半では彼女を許した姿も描かれています。

仏になって許してやる
だから顔も体も名前も全部
ずっと覚えてて忘れないでいろ
最後は水に流してやる
だからあれもこれも番号も全部
ずっと覚えてて忘れないでいろ
それでいいよ

仏様だってそう言うさ
ドレスに着替えて晩餐しよう
いつでも次の始まりは
さよならから

出典: 復讐/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁

憎む気持ちが後を引くのは裏を返せば、それだけ大切に想っていたということ。

大切な思い出として閉まって、次の恋愛に活かせばいいんですね。

2.熱狂を終え

疾走する勢いと憂いを両立したサビが秀逸な1曲。

中盤、幻想的な部分があるのですが、そこから後半に掛けて加速していく様に注目。

空気の変わりようが不思議で、キツネにつままれたような感覚になりますよ。

擦り切れるほどに聴いていた
盤は埃かぶっていた
天気予報を待っていた
彼女はこう話していた
「当たらない方を願うなんて
なんか少し可哀想ね。」
確かにそうだね

今夜、
大正解を疑え
悟る経験に逆らえ
襲う冷静を破り去っていけ
僕ら永遠の途中で
青い年齢を呼び起こせ
忘れちゃいない 思い出せ
無くしちゃいない

出典: 熱狂を終え/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁

憂鬱な気分を招いているのは自分自身だということが歌われていますね。

雨の予報のときは「降らないでほしいな」と思ってしまうもの。

しかし雨降りの凛とした雰囲気はそのときしか味わえないし、お洒落な傘だって雨の日にしかさせません。

状況を楽しもうとする、少年のような心で生きていけたらいいですね。

3.運命

My Hair is Bad「mothers」をトレーラー動画で解説!全曲レビューで"進化"を感じての画像

シングルカットされた1曲ですね。

激しく躍動するサウンドにメロディの切なさも倍増。

「やり切れなさ」のようなものがひしひしと伝わってきます。

きっと終わりだった
ずっと分かっていた
もう何も言わなかった
ずっと怒鳴っていた
じっと睨んでいた
でも君は泣かなかった
どうして
終わりだけわかってしまうんだよ

出典: 運命/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁

言葉に出さなくても「別れたい」という気持ちがわかってしまう。

そんな場面を描いたこの歌詞

怒鳴っても睨んでも彼女が泣かなかったのは、主人公に興味がなくなったからでしょうか。

その答えは終盤の歌詞に込められていました。

最後の最後で本当はね 聞きたかったよ
硝子の破片を拾いながら
床を拭く君の手に目を疑ってた
どうして指輪、外してなかったの?

必然だった
いつでも終わりは何かの始まりへ

出典: 運命/作詞:椎木知仁 作曲:椎木知仁

主人公への彼女の想いは残っていました。

指輪を外していなかったことが何よりの証拠です。

彼女が泣かなかったのは、主人公に自分を忘れてもらうためだったのでしょう。

次の恋へと後押しする彼女の優しさが沁みますね。

4.関白宣言

少し雰囲気を変えて明るいナンバーが登場。

しかし明るさというのは陰があってこそ引き立つものです。

Bメロで見せる陰りがこの曲のフックになっていますね。

そしてこの部分で見せるリズム隊のうねるような絡みにも要注目。

バンドの阿吽の呼吸を体現したような演奏が垣間見えますよ!