上記の表現には、決して裏切らないという想いも感じます。

きれいごとをいっているのではありません。

この表現には手を離したくなる日もある、という本当の気持ちも含まれているのです。

だからこそ、必死に離さないようにするといっているのではないでしょうか。

大切な家族であっても、感謝の気持ちを忘れてしまったり、心に距離が出来たりしてしまうこともあるでしょう。

でも決して手を離すことはしない、愛情を忘れないと約束しています。

本当の気持ちを素直にぶつけている歌詞だからこそ、心に響くのです。

受け継がれる想い

ママの優しさとパパの泣き虫は
まるで僕らのようでさ 未来が愛しい

出典: 虹/作詞:石崎ひゅーい 作曲:石崎ひゅーい

自分達の子供について考えた時、両親のことが頭に浮かびます。

どんな想いで自分を産んだのだろう、どんな思いで育てたのだろうと考えたのでしょう。

主題歌となった映画の中では、のび太という名前を付けた理由が明かされていました。

親の愛情を一身にうけた名前なのです。

そして劇中では、のび太が下記のように両親へ言葉を投げかけていました。

お父さん、お母さん、あなた達はライバルです

出典: STAND BY ME ドラえもん2/配給会社:東宝

両親のように自分達も幸せになる、と感謝を告げたのです。

このセリフこそ、歌詞を紐解く鍵となるのではないでしょうか。

平凡な家庭、けれどそこは幸せに包まれた温かな場所でした。

母親や父親から受け継いだものは、2人の中に息づいているのでしょう。

両親がそうしたように、愛情に溢れる家庭を作っていきたいという想いを感じます。

そして早くも、未来に産まれて来るであろう自分達の子供を思い描いているようです。

2人で支え合ったあの頃

大きな夢じゃなくていいよ
自分らしくいれたらいいよ
ひとりぼっち 迷った時は
あの頃を思い出して ああ

出典: 虹/作詞:石崎ひゅーい 作曲:石崎ひゅーい

一緒に作り上げていく未来は、小さな幸せが詰まったものでいいのです。

2人で求めるものは、ごくありふれた日常と言えます。

彼は、2人が自分に素直に生きることが出来る家庭にしたいと思っています。

それが求めている幸せの形なのかもしれません。

この先、孤独を感じてしまうことがあるでしょう。

そんな時は、一緒に過ごしてきたこれまでの日々を思い出し手を取り合えばいい。

2人は辛い時に寄り添い、いつも支え合って来たのではないでしょうか。

僕がずっと探していたもの

言葉が見つからない

さみしい夜を半分 僕に預けて欲しい
うれしい日々は十分に 笑い合っていたい
どんな言葉でも足りないよな
君のぬくもりに触れたせいかな

出典: 虹/作詞:石崎ひゅーい 作曲:石崎ひゅーい

これからも全てを分かち合って生きていきたい、という気持ちが伝わります。

寂しさや辛く感じることは、一緒に分け合うことで共有したいのでしょう。

独りではないということは、心を軽くしてくれるのです。

そして嬉しさを感じる時は十分すぎるほど、幸せを噛みしめていこうと言っています。

彼は2人でひとつ、掛け替えのない家族を作り上げていきたいのです。

これまでの感謝や愛、そして未来までの感謝を伝えたいのだけれど言葉が見つかりません。

「ありがとう」「幸せ」「大好き」きっと、どんな言葉でも物足りないのです。

側にいる彼女は、全てを包み込むような大きな優しさを持っているからです。

探していたのは感謝の言葉

家族や友達のこと こんな僕のこと
いつも大事に笑うから 泣けてくるんだよ
何にもなかった空に ぽつんと輝いていた
「ありがとう」に代わる言葉 ずっと探していたんだ

出典: 虹/作詞:石崎ひゅーい 作曲:石崎ひゅーい

彼女は周囲の人を大切にしているようです。

自分に自信のない彼は「ダメな自分までも大切にしてくれる」と言っています。

映画では、しずかちゃんを幸せにする自信のないのび太が描かれていました。

曲の中の彼も、幸せにする!とは豪語できない男性なのでしょう。

弱い自分をも大切にしてくれる彼女に、何という言葉を贈るか悩んでいます。

彼の未来は、特に輝く物もなく空っぽだったのです。

しかし彼女の存在が、彼に光と幸せを与えてくれました。

ありきたりな感謝の言葉では、伝えきれない想いがあるのでしょう。

彼はずっと、本当に伝えたい真実の言葉を探していました。

伝えたかったのは未来への想い