新作アルバム「メカクシティリロード」をリリース!5年半という期間が大作を物語る

【じん/アディショナルメモリー】歌詞とMVの世界を徹底解説!アヤノの想いに気付いた時、心が震える…!の画像

2018年11月7日、じんが作詞作曲、脚本を手掛けるマルチメディアミックスプロジェクト「カゲロウプロジェクト」の新作アルバムがリリースされました!

タイトルは「メカクシティリロード」。

前作「メカクシティレコーズ」のリリースは2013年5月29日ということで、実に5年半ぶりの新作ということになります。

小説、漫画、アニメなどで人気を誇っているじん原作の物語「カゲロウデイズ」と紐づけられた楽曲群が収められるこのシリーズ。

楽曲のファンのみならず、物語が好きだという方まで幅広く待望されていたことでしょう。

5年半の間どれぐらいの時間が制作に充てられたのかは定かではありませんが、この期間の開きはそれだけの大作を期待させます。

リリースに際して、じん自身もツイッターで以下のようなコメントを残していました。

じんのコメントから読み取る「妥協できない苦しみ」

というわけで、本日アルバム『メカクシティリロード』が発売しました。
ここに来るまで辛いこととか、大変なことがたくさんあったんだけど、
まっすぐな音楽を作れたんじゃないかなと思います。
手に取ってくれた人、本当にありがとう。
待っててくれた人、待たせてごめんなさい。

出典: https://twitter.com/jin_jin_suruyo/status/1060178542904860672

彼が好きでやっていることとは言え、好きだからこそ「妥協できない苦しみ」があったのではないでしょうか。

「まっすぐな音楽を作れた」という言葉から、表現したいことが上手く表現できたという気持ちも垣間見えます。

音楽家がそこまで力を込めているのだから、聴く方も待った甲斐があるというもの。

描かれる物語も音楽も含めて、聴き応えのある1枚であることは間違いありませんね。

今回は渾身の1作「メカクシティリロード」の世界の一端に、収録曲の「アディショナルメモリー」から迫っていくことにしましょう。

自分を犠牲にすることを選んだアヤノの気持ちが描かれる

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「アディショナルメモリー」は主人公のシンタローに想いを寄せるヒロイン、アヤノの気持ちにスポットを当てたもの。

彼女は物語の中で父に乗り移った蛇の陰謀で、死者が出てしまうことを阻止するために自殺を図ります。

この曲で描かれるのは、そんな彼女の自殺のシーン。

結局シンタローに想いを告げることが出来ないまま、自分を犠牲にすることを選んだ彼女の想いが描かれます。

物語の詳細は少々難解で長くなってしまいそうなのでここでは割愛。

Wikipediaで詳しく解説されていますので、気になる方は覗いてみてください!

『カゲロウプロジェクト』は、音楽家[1]、小説家、脚本家のじん(自然の敵P) (以下じん[注 1])によるマルチメディアプロジェクト。じんが2011年から発表している楽曲に加え、2012年に楽曲で描かれる物語を題材としたじん自身の執筆による小説、じんの原作を元にした佐藤まひろによる漫画が発表されている。また、アニメ化の企画も決定し、2014年4月から6月まで『メカクシティアクターズ』を放送した。楽曲のボーカルには、IA、初音ミクといったヤマハの歌声合成技術VOCALOIDを使ったボーカル音源を使用している。代表曲にカゲロウデイズ、チルドレンレコード、ロスタイムメモリー、夜咄ディセイブなど。音楽パッケージの累計発売数は2016年4月時点で70万枚[2]、小説・漫画などの書籍累計は1400万部[要出典](内小説は2017年12月の時点で900万部[3])。

アヤノの虚ろな表情が物悲しいMV

それでは早速MVをご覧いただきましょう!

映像を手掛けるのは「カゲロウデイズ」のキャラクターの原案、デザインの作画を担当したしづ。

アヤノの虚ろな表情は描かれる彼女の想いをよりリアルに。

彼女の癖とされている、答案用紙で折り鶴を折る描写などから愛嬌のある様子も垣間見え、より感情移入へと誘う内容となっています。

彩る音楽もアヤノの心情を表したかのよう

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楽曲はセミの鳴き声が響く中、儚げなイメージで奏でられるピアノの旋律から幕を開けます。

アヤノが自殺したのは8月15日。

まさに夏の暑い日に、これから身を投げようという自分の気持ちを表したような音像となっているのではないでしょうか。

交錯する複雑な心境を描くメロ部分

そんな冒頭部分とは裏腹に勢いよく入ってくるベースのグリッサンドと、切れ味の鋭いカッティングギター

本編は疾走感溢れるロックナンバーとなっています。

そんなサウンドの中、Aメロは凛としたピアノが彩るどこか物悲しい雰囲気。

これで終わってしまうと思うと悲しい気持ちになる…そんな想いが滲み出ているような印象です。

Bメロは夕日に佇む2人の映像も相まって、思い出を振り返っているかのような優しいメロディが展開されます。

こんなときでも彼を想うと優しい気持ちになれる…といったところでしょうか。

サビのスピード感が物語るのは