名曲には逸話が必要

2002年5月15日にビクターエンタテインメントよりリリースされたSMAPの34枚目のシングル。前年8月末より活動を休止していた、稲垣吾郎の復帰作品。 フジテレビ系『SMAP×SMAP』テーマソング。『第53回NHK紅白歌合戦』に出場し、本曲を披露した。

出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/Freebird

色々あった月日を経て再び終結をしたSMAPが、満を持してリリースした楽曲です。

自分たちが出演するTV番組のテーマ曲にはなっていても、他にタイアップが無いのは珍しいですね。

紅白歌合戦のステージで歌うのには、少し地味な印象が有りました。

でも一年を総括して、新しいスタートを切るためには最適な楽曲でした。

ほぼほぼ日本語で組み立てられた歌詞

解説の前に歌詞鳥瞰図に見立てて全体を見てみたいと思います。

歌詞はほぼ日本語で埋められています。カタカナが使われているのは2か所。

その2つのカタカナも、ひらがなに置き換えられる単語をカタカナで表しただけです。

ローマ字が使われているのは「freebird」と繰り返し歌う部分だけ。日本のポップス系の歌詞の中でもレアな存在です。

全盛期のアイドルが歌うとは思えない漢字多めの全体像には、リスタートする彼らの意気込みも盛り込まれていますね。

飛び回る前の準備から

自由に飛ぶ前には準備が必要です。空を飛ぶ鳥も、羽の手入れや栄養を補給しなければ飛び続けることはできません。

何だかまた訳の分からない所から解説を始めたのには理由があります。

実は「freebird」の歌詞が難敵・難解なんです(泣)。

好きな曲だから挑戦しよう!と思ったのですが、先ほども申し上げたように漢字多めです。

漢字は何とか読めるのですが、それをどう解説してどう伝えるか…。

リリースされたのは25年以上前ですから“り”や“ご”を並べて会話が通じる今よりは、言葉をやり取りする時間も量も多い時代

言葉の迷路を抜けたら、自由に飛び回れる世界があることを信じて解説を1歩づつ進めたいと思います。

【freebird/SMAP】自由に飛び回るために歌う…紅白でも披露した名曲の歌詞を解説の画像

飛ぶのは一度だけではない

満足しないから出来る事

例えばアレがなくてもコレがあっても僕は満足しないだろう
平穏無事な暮らしと未来を多少計算してるとしても
眠れない日々や胸を痛める出来事を通り過ぎていく程
幾度も飛び立つ事が出来ると確信して止まないでしょう

出典: freebird/作詞:シライシ紗トリ 作曲:シライシ紗トリ

「freebird」歌詞の迷路の入口で佇んでいます。これまでも独自の解説や解釈で物議をかもした私。

何を隠そう、夏休みの宿題の読書感想文は苦手中の苦手。読んだ本の感想がすべて“面白かった”の一言で終わってしまうのです。

この最初の歌詞がとてもステキなことを歌っているのは良く分かります。

もし自分が「freebird」の感想を求められたら“出だし聴いてね、いい歌だよ。”で終わると思います。でも今回はそれが許されません。

1行目の解説から始めます。 

歌詞の中のカタカナはこの“アレ”と“コレ”だけです。最初に出てくるのが印象的。

歌ってしまえばアレとコレが、カタカナかひらがなかは分かりません

歌詞を作る人は当然それを知っていても、ここをカタカナにするんですよね。

以前のように歌詞を文字で見る機会は激変しています。でも歌詞を作る側は、こういった部分も見て欲しいと思っているはずです。

歌詞を一文字一文字打ち込んでいるこのサイトなら歌詞と出会えます。

歌詞はコピペ出来ません。ライターは歌詞を確認しながら打ち込んでいます。 

そんな積み重ねがこのサイトを作っていることをサイト管理者に代わりまして、お伝え致しました。

ものじゃない心で飛ぶ?

無くても有っても満足しない、これが何を意味しているのかを解説するために歌詞を進めたいと思います。

毎日同じように流れて行く24時間。平凡であるけれど繰り返す日々を積み重ねて行かないと明日とその先の未来を手にはできない。

自分の未来はきっと上手く行っていると、根拠のない自信もあったりします。

眠りを妨げるようなモヤモヤした悩みや、強いられた我慢を続ける状況が続きます。

のしかかるような重圧をやり過ごせれば、飛べる準備に取り掛かることが許されます。

アレやコレは物質的なものを意味しているのでしょうか。

並ばないと手に入らないレアものを入手した、ステータスを示すブランド物を持った、その時は心が満たされます。

ミニマリストのように思い切り物を減らした、ストイックな生活がベストと思っている訳ではありません。

目に見えるものだけでは満足をしない…というより満足したくないのです。

飛び立つために必要なのは飛ぶための道具ではなく、自分は飛べると信じる事。

一度だけでは終わらない、その後も飛べる事が確約されていることを信じる心が、手の中にあります。

準備は空にかける橋から

愛するものも 大事なものも 虹のように色を並べて
時間をかけよう 忘れないように この空のように

出典: freebird/作詞:シライシ紗トリ 作曲:シライシ紗トリ

心をつなぐもの

空にかかる虹は大地と空をつなぐように見えますね。

虹を自分たちで作ることができたら、僕と君の心をつなぐこともできます。虹を作るために急ぐ必要はありません。

1つ1つの色がどんな気持ちを表しているのかを、確かめながら並べてみたい。

時間をかけて丁寧に作り上げた虹は二人の心の中に長く残ります。

飛ぶことが実現できる空が二人の上に広がります。