宇多田ヒカルと共演したラッパーは誰?
2016年に発売された宇多田ヒカルのアルバム『Fantôme』。その中の一曲でラッパーとコラボレーションして歌う「忘却 featuring KOHH」という曲があります。
突如として現れたこのKOHHという人物は一体何者なのか?今回は彼のことを触れるとともに「忘却 featuring KOHH」の歌詞を紐解いてみましょう。
新進気鋭のラッパー”KOHH”とは?
KOHHは1990年生まれの26歳のラッパーで、日本人です。2016年年末にネット配信された宇多田ヒカルの番組「30代もほどほど」に共演し、全身の入れ墨に驚いた方も多いのではないでしょうか?
KOHHの名前が知られるようになった2014年あたり、彼のアルバム『Monochrome』に収録された「貧乏なんて気にしない」という強烈なタイトルの曲で一気に注目された新進気鋭のラッパーなのです。
強烈なリリックを持ったラッパーだ!
KOHHの生い立ちにも注目してみましょう。KOHHの母親は麻薬中毒者だったと自らが語っているように全身に施した入れ墨から相当過酷な人生を歩んできたと思われます。
KOHHのアルバムには「JYUNJI TAKADA」や先の「貧乏なんて気にしない」などストレートで赤裸々なタイトルや歌詞が並べられています。
KOHHに共感する若者も多く、人生経験を歌詞に乗せ歌う姿はむしろ潔く、かっこいいですね。
宇多田ヒカルとKOHHの関係
ではなぜ宇多田ヒカルはKOHHとコラボして一曲作ったのでしょう?
宇多田ヒカルはKOHHについて、アルバム『Fantôme』を作る少し前から友人に教えてもらい、ファンになってしまっていたのです。
「忘却」は当初インストのつもりで作っていたけど、ディレクターからの提案でラップを入れてみてはとの誘いに乗り、KOHHを紹介してもらったそうです。
元々宇多田は彼のファンだったこともあり、この誘いに快諾。こうして「忘却」はKOHHとのコラボレーションが実現したのです。
2人の共同作業で出来上がった「忘却 featuring KOHH」、生き方と死に方を歌っているかのような歌詞を紐解いてみましょう。
「忘却 featuring KOHH」の歌詞を解説!
過激な歌詞は過去への思い出なのか?
好きな人はいないもう
天国か地獄
誰にも見えないところ
3歳の記憶
23年前のいい思い出も
思い出せないけど
忘れられないこと
汚ないものでも 美しく見える
出典: 忘却 featuring KOHH/作詞:Utada Hikaru・Chiba yuki 作曲:Utada Hikaru・Chiba yuki
歌い出し冒頭の部分はKOHHが作った言葉です。宇多田はKOHHに忘却や記憶に関する宇多田の考え方を伝えながら何日かかけてKOHH自身が言葉に変換したのです。
23年前のいい思い出を思い出せないけど忘れられないと、記憶を忘れかけているけどいい思い出であったことだけ覚えてると読み解けます。
記憶=母への記憶なのか?
懐かしい声 俺から離れ 誰かのとこへ
記憶なんてゴミ箱へ捨てる
ガソリンかけて 燃やしちゃえ
喪服に着替え お迎えがくるまで
生きてんのは死ぬ為
そんで産まれてくる それだけ
お墓ん中へ 行ければ幸せ
眠る棺桶 刺青だらけ この冷たい手
みんなが泣いてる そんなの最低
出典: 忘却 featuring KOHH/作詞:Utada Hikaru・Chiba yuki 作曲:Utada Hikaru・Chiba yuki
”懐かしい声”というフレーズが母親への思いに聴こえます。ここのフレーズはKOHHの母親への思いを断ち切るようなエピソードに聞こえるのは筆者だけでしょうか?
”ガソリンかけて燃やしちゃえ”、”生きてるんのは死ぬ為”、と強烈なメッセージが並んでます。自分の死と誰かの死をかけているような、そんな様に聴こえます。
そんなの最低
そんなの最低
全部忘れたらいい
過去にすがるなんてださい
もういらない
出典: 忘却 featuring KOHH/作詞:Utada Hikaru・Chiba yuki 作曲:Utada Hikaru・Chiba yuki