Stand By Me
そばにいて
今ミックスしよう
素直と理想を
抱いていた感情ごと
キスをして
痛い痛いのは飛んでゆかない
幼きまやかしさ
痛い痛いがちゃんと解ってから
また一つ始まるね
出典: イコール/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
挫折した過去があるせいか、少しひねくれた性格になっていた主人公。
自分の感情に正直になった彼は、他人からの指摘も受け入れて大きく成長しようとしています。
後半の歌詞からは「失敗から学ぶ」ということを歌っているようにも思えますね。
「失敗は成功の母」とも言いますし、そこから得るものは大きいです。
また、失敗した時に受けたダメージはすぐに消えることはありません。
徐々に治っていき、痛みも引いていきます。
つまり、しばらくは失敗の影響があるということ。
どうしてダメージを受けたのか、そもそもの失敗の原因は?と自分でじっくり考えてみる時間も必要なのでしょう。
ここで、わざと子供が使うような言葉にしているのは、子供から大人への成長を促しているようにも感じます。
『MIX』は高校野球を描いた漫画。中高生は一番多感な時期です。
「体は大人へと成長しつつあるのに子供扱いされる」というアンバランスな立場に困惑してしまうこともあるでしょう。
どこで、子供のままでおらずに大人へと脱皮をできるかどうかは自分次第。
主人公は「憧れの女の子」の存在でそのことに気づけたのです。
君にふさわしくなりたい
傷つき悲しみ
真っ当に泣いて喜んでみたい
その時傍らで
なびかせた髪の香り纏った笑顔に
ふさわしく在りたい
Stand By Me
そばにいて
ディスプレイ越しの
温度じゃ足りないよ
抱いていた感情ごと
マッチして
出典: イコール/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
夢を追いかけるのを止めた主人公は、刺激が無くなって味気ない日々を送っていました。
目標に到達するのは辛く苦しいこともあるでしょう。
でも、その過程は楽しくもあります。
そんな経験を憧れの女の子と分かち合いたいと彼は思っています。
歌詞の描写から考えると、「あの子」は髪が長く美しい女の子なのでしょう。
そして、笑った顔が魅力的。
キラキラと輝いて見える彼女に近づきたい、似合うような立派な人物になりたいと主人公は願っています。
いきなり告白するのではなく、自分を磨いて振り向いて貰おうという作戦ですね。
ここで主人公は具体的に「自分と一緒にいて欲しい」と彼女にお願いしています。
もう告白したも同然な気がしますが…
彼女には「夢を追う気持ち」を共有してほしいと思っているようです。
もう一度夢を目指してみようと思わせてくれた相手。
そんな彼女が側にいれば、勇気が湧いてくるのかもしれません。
「心の支えになってほしい」とも受け取れますが、「自分の心に寄り添って欲しい」という方が合っている気がします。
あくまで、一緒の場所に立つというのが主人公にとっては重要なのです。
雨と強い風に対応するには
感情を全部持っていこう
Stand By Me
そばにいて
スクロールしよう
僕らの一瞬を
抱いていたい感情
全部持ってゆこう
夏の大空に
降り出した
雨と強い風
傘を守るように
身を丸めていた
出典: イコール/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
夏に大きなイベントがあることが仄めかされていますね。
主人公にとってそのイベントはとても重要な意味を持つようです。
これまでにしてきた努力を全てぶつける夢の舞台…
ここで、暴風雨の描写が始まりますが、これは主人公に大きな困難が立ちふさがったことを意味しています。
主人公は荒れ狂う風に傘を壊さないように立ち止まってしまいました。
でも、それでは夢に到達することは叶いません。
傘を捨てて…
守るべきものは
傘ではないから
捨ててその芽を開けばいい
雨を飲め
風に乗れ
Stand By Me
そばにいて
雨のち晴れのち雨だって
抱いていた感情
全部持ってゆこう
Stand By Me
出典: イコール/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
主人公が必死になって折らないようにしていた傘。
これは彼の「プライド」や「傷つきたくないという臆病な気持ち」を表しています。
前へ進むためには、それをかなぐり捨てなければならないのです。
障害を克服した主人公。
でも、「天気(運命)」というものは人間の力ではどうにもなりません。
次から次へと立ちふさがる障害。
それらに熱い情熱で立ち向かっていきます。
そんな時、その苦労を分かち合ってくれる人が側にいれば最高ですよね。
自分に正直になる
そばにいて
一切合切を繕わないよ
抱いていた感情
バレたっていいよ
欲張って言うよ
描いた理想と
現在(いま)を繋ぐよ
イコールで
出典: イコール/作詞:片岡健太 作曲:片岡健太
主人公は憧れの女の子に対しても偽ることをやめました。
誠実に、そして一途に想いをぶつけることに。
歌詞から考えると直接ぶつけるというよりも、「背中で語る」の方が近そうですが…
最後の3行は主人公のモチベーションの高さが伝わる部分です。
常に今、夢を叶えることを意識して頑張ると言いたいのでしょう。
最後にやっとタイトルの「イコール」が登場し、「そういう意味か!」と目から鱗でした!